★★☆☆☆
あらすじ
夫はかつての仲間に襲われ重傷を負い、さらなる追撃から家族を守るためにかつての恋人に協力を求める妻。
感想
痛快な女主人公の西部劇と勝手に思い込んで見始めたのだが、かなりウェットな物語だった。恋人が戦死したものと思って別の男と結婚するが、実は恋人は死んでいなかった、という誰も悪くないが誰も幸せじゃない設定。
ただ夫が瀕死の重傷だから主人公が誰かに助けを求める、というのは分かるのだが、まず最初に昔の恋人の所に行く神経が良く分からない。他に頼める知り合いはいなかったという事なのだろうが、せめていろんな場所で断られてからためらいがちに行って欲しかった。未練がましく昔の恋人の近所に住む男も男だが。
そして派手なガンアクションもほとんどなく、かつての恋人、今の夫、その間で思い悩む女主人公のそれぞれの過去が描かれていく。過去を知れば知るほど誰も悪くないというか。かつての恋人は自分が戦争から戻るのを待ってくれなかったと言うが、3年、5年、10年と何年待てばよかったのか。何年だろうが戻るまで待っていて欲しかったというのはさすがに酷だろう。生きている保証もないのに。
行き場がなく追い詰められたわけでもないのに、立て籠もることを選択した理由が良く分からないが、何はともあれ何とか危機を乗り越えて無事ハッピーエンド。ということに作り手側はしたかったのだろうが、これはハッピーエンドなのか?と疑問だ。
なにより人が増えたり減ったりが都合よすぎる。消えて欲しくなかった人が現れ、いなくなってくれると助かる人が消えてくれた。主人公が裏で何かやってのか?と疑うレベル。死んだ男の人生を思うと哀しすぎる。
かつての恋人が女主人公とその家族を助け、哀愁を漂わせながら去る、というのが、一番しっくりくる格好いいラストだったような気がする。
スタッフ/キャスト
監督 ギャヴィン・オコナー
脚本/出演 ジョエル・エドガートン
製作/出演 ナタリー・ポートマン
出演 ノア・エメリッヒ/ロドリゴ・サントロ/ボイド・ホルブルック