★★☆☆☆
あらすじ
謎の人物からある男の生存確認をして欲しいと依頼された探偵。113分。
感想
謎の男から人探しの依頼をされたミッキー・ローク演じる主人公。その謎の男を演じたロバート・デ・ニーロは、出演時間は短いが相変わらず抜群の存在感だ。この男がただ者ではないことがビシバシと伝わってくる。
そして人探しを開始する主人公。だが手掛かりを求めて面会した人物たちが、次々と何者かによって殺されていく。不穏な展開だ。さらにブードゥー教や悪魔崇拝を窺わせる描写が多く登場し、映画全体にどこか「八つ墓村」のようなおどろおどろしい雰囲気が漂っている。そんな中でも捜索を続ける主人公。色々と意味深なシーンが多くて面白かったのだが、最終的には悪魔が出てきてしまって急激に冷めてしまった。
「八つ墓村」のように、おどろおどろしいだけで結局はそれを利用しただけの普通の殺人事件なら別に良かったのだが、本当に悪魔とか出て来てしまったらもうなんでもありじゃん、と一気にどうでもよくなってしまう。ただこれは悪魔とか魔法とか出てくる話が個人的には苦手なだけで、その手のものが好きな人だったら楽しめるのだろう。
大体の話の内容が分かってくると、色々と疑問が湧いてくる。なぜ犯人は関係者を次々と殺さなければならなかったのか。自分の秘密を知っているからなのか、自分の過去を知っている人間は邪魔だったからなのか、単純に彼が悪魔だからなのか。
それに、主人公の仕事を何度も暴力的に邪魔をしていた男たちは、何が目的だったのかもよく分からない。迫害されがちなブードゥー教徒だから、自分たちの周辺を嗅ぎまわる男をあらかじめ排除しようとしていただけなのか。
そしてこの結末だったら、なぜ主人公に人を探すように依頼したのかが最大の謎で、それを見ていたこちらのこの2時間は何だったのだ、と思ってしまった。主人公が何者であるかを自分で気づかせるためだったのか。だがそんな回りくどい事をしなくても、最初に会ったその場で教えてやっても別に良かった気もする。それをしないで、本人が気づくまでニヤニヤとその様子を何日も眺めているなんて悪魔かよ、と思ってしまった。ま、悪魔なんだけど。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 アラン・パーカー
出演 ミッキー・ローク/リサ・ボネット/シャーロット・ランプリング/ダン・フロレク/キャスリーン・ウィルホイト
音楽 トレヴァー・ジョーンズ
撮影 マイケル・セレシン
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