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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「アナザヘヴン」 2000

アナザヘヴン

★★☆☆☆

 

あらすじ

 殺した人間の脳みそを使って料理するという猟奇殺人事件が立て続けに起き、犯人を追う刑事。131分。

 

感想

 まるで、みなさんご存じテレビドラマの映画化です、と言わんばかりの、いきなり本題から始まる導入部分。だが別にそういう流れで作られた映画ではないようだ(映画公開と同時に連動するドラマは作られたようだが)。でも登場人物たちが誰なのかすらよく分からない状態で一気に物語の核心に入っていくスタートダッシュは悪くなかった。情報量の多さも含めて、異常な出来事に現場が混乱している様子が良く伝わり、心をざわつかせる。

 

 そしてそのざわついた雰囲気がキープされたまま物語は進む。異常な出来事が起きているのは分かるのだが、それが何なのかはよくわからず不穏な空気が漂っている。だからこそ惹きつけられるものがあって最初は良かったのだが、その状態が長く続き過ぎた。次第に、いつまでやっているのだ、とイライラしてきた。

 

 少しずつ超常現象が関与していることは分かってくるのだが、それがいっこうにどういうことなのか、くっきりクリアに見えてこない。ぼんやりとした曖昧な表現ばかりが続き、じゃあ具体的にどういうシステムでそれが起きているのかはっきりしろ、ただザワザワした気分を出し続けて弄んでいるだけだろ、と言いたくなってくる。

 

  ただ、途中で犯人が変わっていくというのは、映画を飽きさせない上で悪くない設定だ。そんな犯人役のひとり、柏原崇が演じたサイコパスな男は、キャラクターが典型的過ぎてうすら寒かった。こういう意味なく笑ったり踊ったりするクレイジーな犯人像は、当時は新鮮だったのかもしれないが、今見るとやりつくされた感があって辟易とする。今考えると、この時代はこのタイプの犯人象がブームだったのかもなと思ったりした。ちなみに犯人の中で彼だけがスパイダーマンばりのアクションをしていて、だからどういう設定なのだ?、と苛立たせる要因の一つになっている。

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 それから、まだ悪い部分を見せていなかった松雪泰子演じる女医が、主演の江口洋介演じる刑事にいきなりボッコボコにされるシーンはなんか笑ってしまった。

 

 

 延々とザワザワした雰囲気だけを見せつけられて、イライラから最終的にたどり着いた感想は「長過ぎ。まだ終わらないの?」だった。雰囲気だけでやろうとしているのだから、長くやったらバレるという事に気づくべきだった。振り返って見るとなんでそんなに長くなってしまったのかがよく分からない内容で、もっとコンパクトに出来たはずだ。ザワザワのための演出が冗長の要因だったとしたら皮肉だが。最後は純愛、というのも取って付けたような結末で、なんだかなと思ってしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 飯田譲二

 

原作 新版 アナザヘヴン〈上巻〉

 

出演 江口洋介/市川実和子/柏原崇/六平直政/井田州彦/諏訪太朗/加藤晴彦/阿藤快/荒川良々/真鍋由/乾貴美子/京極夏彦/綾辻行人

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音楽 岩代太郎

 

アナザヘヴン

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