★★★☆☆
あらすじ
妻を誘拐された元レーサーの男は、犯人の指示に従い、見知らぬ若い女を乗せてスーパーカーで町中を暴走する。
イーサン・ホーク主演、セレーナ・ゴメス、ジョン・ヴォイトら出演。90分。
感想
妻を誘拐した犯人の指示に従い、スーパーカーを走らせる元レーサーの男が主人公だ。ほぼ全編が車を運転するシーンで、カーアクション満載の映画となっている。
序盤は用意された車に乗り込み、謎の犯人の指示に従って、訳も分からぬままに車を暴走させる主人公の様子が描かれる。主人公の元レーサーとしての腕前や何としてでも妻を取り戻そうとする覚悟が伝わってくるが、次第にただ無機質に意図の分からぬ指示を出し続けるだけの犯人に苛立ちを覚えるようになる。
だいたい物語の前提は分かったので、そろそろ本題に入って欲しいのに、全く犯人の意図が見えてこない。目的地がないままにただ車を走らせているような、落ち着かない気分があった。せめて犯人が、困惑する主人公を面白がったりするような演出が欲しかった。
漂っていた停滞感は、セレーナ・ゴメス演じる若い女が乗り込んできたことで、ようやく打開される。メカに詳しい彼女によって犯人の意図が少しずつ明らかになり、反撃の糸口が見えてくる。
カーアクションがメインの映画だが、特段驚くようなシーンがあるわけでもなく、よく見る感じのものが続くだけだ。そんなに見応えはない。それどころか終始そればかりなので、段々と感覚がマヒしてきてなんとも思わなくなってしまった。ただ終盤の、エンジン音を響かせながら敵を追走する様子を、ローアングルでシンプルにとらえ続けた映像は気持ちよかった。
車内と車が走るシーンだけの変わりばえのしない映像がずっと続く映画だ。なんとなく映画「スピード」を想起させるが、展開もありきたりだ。車内には監視用のカメラやマイクが取り付けられているのに、そこで二人が普通に作戦会議をするのも解せなかった。最後に明らかになる真相も特に驚きはなく、そのままヌルっと終わってしまう。
車好きなら、気軽に見るにはいいのかもしれない。ちなみに使われている車は「シェルビーGT500 スーパースネーク(2005~2008)」だそうだ。
スタッフ/キャスト
監督 コートニー・ソロモン
脚本 ショーン・フィネガン/グレッグ・マクスウェル・パーカー
製作総指揮 ジュリアス・R・ナッソー/ウェイン・マーク・ゴッドフリー/ロバート・ジョーンズ/ボビー・ランゲロフ/ジョン・グッドマン/デニス・L・ペリーノ/クローディア・ブリュームフーバー/イアン・ハッチンソン/ジョエル・シルヴァー/スティーヴ・リチャーズ
出演 イーサン・ホーク/セレーナ・ゴメス/ジョン・ヴォイト/レベッカ・バディグ/ポール・フリーマン/ブルース・ペイン