★★☆☆☆
あらすじ
私立探偵が様々な依頼をこなしながら、盗まれた自身の愛犬を捜索する。
感想
ブルース・ウィリス演じる主人公は、サーフィンもスケボーもして、すぐに女性と寝てしまうような探偵。そんな風変りな男を中心としたコメディ映画。オフビートのとぼけた笑いが中心で、ハマれば面白いのだが、ハマらなければしらじらとした空気が流れてしまうようなタイプのもので、この映画はと言えば、残念ながらしらじらとした空気が流れてしまっている。
原因は色々あるが、一番大きいのはブルース・ウィリスのキャラクターだろう。どこか達観していて、何が起きても動じず投げやりな態度。近年のブルース・ウィリスは、こんなキャラクターばかり演じているような気がするが、本人の意志なのだろうか。
映画の中で「パルプ・フィクション」のパロディのような、捕まったブルース・ウィリスがなんとか窮地を脱するというシーンがあるのだが、彼の魅力はこういう時に泣きべそをかきながら必死に何とかしようとする姿にあるような気がする。「パルプ・フィクション」も、彼の代表作「ダイ・ハード」シリーズもそうだ。なのにこの映画では常に悟りきった顔をして、「やれやれだぜ」といった様子を崩さない。
主人公のある意味では余裕しゃくしゃくな、こんな調子を延々と見せられても、全然ドキドキしなくて盛り上がれない。映画では笑いどころとなっている主人公が裸でスケボーをするシーンがあるのだが、ここでも平然とした顔でやってしまっている。とんでもない事をなんでもないような顔をしてやる面白さというのもあるとは思うが、ここは半泣きで情けなくやってほしかった。
そして主人公の周りで色々と事件が起きて仕事も依頼されるのだが、それらがつながり雪だるま式に重なり合ってクライマックスで一気に解決、というわけではなく、あるものは継続中で、あるものは途中で解決、そしてまた別の件が起きるといった調子で、なんとも締まりのない展開。積み重なっていくのではなく、ただ増減を繰り返すだけ。映画のテンションが上がっていくというよりも、ただストーリーを結末まで運んでいるだけ、というような物足りなさを感じる。
淡々とした空気が始終続いて、こちらの気分もどんどんフラットになっていってしまった。もっと泣き笑いさせてほしかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 マーク・カレン
出演 ブルース・ウィリス/ジェイソン・モモア/ジョン・グッドマン/トーマス・ミドルディッチ/ファムケ・ヤンセン/アダム・ゴールドバーグ
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