★☆☆☆☆
あらすじ
製薬会社アンブレラが撤退し衰退する都市に戻ってきた元孤児の女は、異常な事態が進行していることに気付く。
映画「バイオハザード」シリーズのリブート作品。
感想
人気ゲームが原作でヒットした映画シリーズのリブート作品だ。今回はホラー的演出に力を入れている印象がある。不気味な少女が登場したりして謎めいた雰囲気に満ちている。
だがそんな状況にもかかわらず、登場人物たちのリアクションが薄くて意味が分からない。ゾンビ的なものが登場しても比較的落ち着いている。ゾンビが一般的になって今さらダルいのかもしれないが、あいつらはなんなのだ、どうやったら倒せるのだ、そもそもどうやって生まれたのだ、などと一通りのことはやって欲しかった。もしくは、あいつらは例のゾンビとかいうやつらなのでは?で片づけてもいいが。そういうのが一切ないので、まともにゾンビと向き合おうとしていないように見えてしまう。
登場人物たちも何をやろうとしているのかが見えない。ゾンビを倒そうとしているのか、誰か助けようとしているのか、原因を探ろうとしているのか、逃げようとしているのか。一応薄っすらとは目的が見えなくもないのだが、異常事態のくせに切迫感がまるでない。途中で見つけたフィルムの映像を鑑賞してノスタルジックな気分になったりするようなのんびり具合だ。
どうやら原作ゲームのストーリーに沿った内容になっているらしく、熱心なゲームファンならそれなりに楽しめるようだ。だがそうではない人にとっては、他人がやっている知らないゲームを延々と見させられているような辛さがある。目的は何で、何をしたらクリアで、今何をやっているのかがまるで分からない。ゾンビがいる中を登場人物らがうろうろしている、ただそれだけにしか見えなかった。ホラー的演出も凡庸だ。
終盤に突如現れたラスボスらしき怪物との対決がハイライトのようだったが、彼らが戦わなければならない必然性は何も感じられなかった。無視してさっさと逃げれば良かっただけのような気がしてしまった。
続編が作られる可能性があるらしいことにビックリするが、もし作るならPG12やR18といったレイティングだけでなく、ゲーム「バイオハザード」シリーズの第5作目までを熱心にプレイした人が対象です、みたいな基準も示して欲しいところだ。エンドロールの途中で続編を匂わすシーンがあったが、まったく興味が湧かないどころか、むしろ腹立たしかった。
PalmのPDAが登場したり、4 Non Blondesの「What's Up」が流れたりと、そんなのあったなと懐かしい気分にさせられるレトロな演出は嫌いじゃなかったが、それほど多くはない。あと、火だるまの男が平然と歩いてくるシーンは面白かった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ヨハネス・ロバーツ
製作総指揮 ポール・W・S・アンダーソン/マルティン・モスコヴィッツ/ヴィクター・ハディダ/アレックス・チャン
出演 カヤ・スコデラリオ/ロビー・アメル/ハナ・ジョン=カーメン/アヴァン・ジョーギア/トム・ホッパー/リリー・ガオ/ニール・マクドノー/ドナル・ローグ
バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ - Wikipedia
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前シリーズの最終作