★★★★☆
あらすじ
ゾンビ化するウィルスを抹消する抗ウィルス剤の存在を知り、それがあるというアンブレラ社の本社へ向かう主人公。シリーズ第6作目の最終作。
感想
映画冒頭、誰もいないように思えた廃墟の中からよろよろと立ち上がる主人公。次にどうするのだろうとその動きをジッと見つめていたら、いきなり驚かされてしまう出来事が。うまい掴みの演出だ。このしっかりとした緊張と緩和のメリハリが、シリーズを長く続けてこられた秘訣なのだろう。映画の随所にこのような効果的な演出が散りばめられていて、よく出来てるなと再認識させられる。
シリーズ最終作は、第1作と同じアンブレラ社の地下が舞台となっており、最後は原点に立ち返る、みたいな粋な演出だ。しかし、ゾンビが出てくる映画ではあるのだが、ここまでシリーズが続くともはやゾンビ映画といった感じではなく、ウィルスをめぐる映画と言った方がしっくりくる。
ウィルスによって世界を支配しようとする悪者と、それを阻止しようとする主人公たち。ゾンビ達はショッカー並みのモブキャラでしかない。今さらベタにゾンビにやられてしまうのは、ローラ演じる女性キャラくらいだった。
主人公たちが、立て籠もる高層ビルの屋上から流れ落ちるガソリンに火を放ち、地上に群がるゾンビ達を焼き尽くすシーンは、闇夜に浮かび上がる炎がド派手で迫力があった。しかしこれがゾンビじゃなくて人間だったらスカッとはせず、おぞましくて背筋が凍ったりするわけだから、ゾンビの存在は便利だ。その他にもあらゆる方法でゾンビ達は倒されていく。
そして主人公たちがようやくたどり着いたアンブレラ社の本社地下。だが、様々なトラップで仲間が一人ずつ減っていく。おぼろげながらも第一作を思い出すが、一番印象的だった体をきれいに切断してしまうレーザートラップの場所では何も起こらず。なんだかスカされてしまった気分だったが、それを見越していたかのように、最後はそこに戻って来てのクライマックス。レーザートラップが主人公を襲う。期待に応えてくれて嬉しいのだが、なんだか弄ばれた感もあって小憎らしくもある。
最後は主人公とボスキャラとの直接対決だ。このボスは超人的な力を身につけているので、余裕をかまさずに普通に戦えば主人公に勝てたのにと思ってしまった。だが、そういう迂闊なところが主人公のような存在を生んでしまい、彼を自滅に追い込んだともいえるので、彼らしい振る舞いだったと言えるのかもしれない。
細かい所を突けばいろいろあるのかもしれないが、長いシリーズの総決算として、それなりの納得感がある、うまくまとめられた結末だった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ポール・W・S・アンダーソン
原作 バイオハザード オリジンズコレクション Best Price - PS4
出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/アリ・ラーター/ショーン・ロバーツ/ルビー・ローズ/ローラ/オーエン・マッケン/ウィリアム・レヴィ/イアン・グレン/イ・ジュンギ
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