BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「Black & White/ブラック & ホワイト」 2012

Black&White/ブラック&ホワイト (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 CIAでコンビを組む二人の男は、同じ女性を好きになってしまう。

www.youtube.com

 

 原題は「This Means War」。97分。

 

感想

 仲の良いCIAのスパイ二人組が、一人の女性をめぐって争うコメディだ。二人がそれぞれCIAの諜報能力をフル活用して女性の趣味嗜好を調べ、気に入られようと奮闘する。仕事そっちのけで国家の資産を私物化する倫理観ゼロな感じが面白い。

 

 二人の勤務態度は酷いよなと笑って見ていたのだが、よく考えると日本の今の与党政治家たちも同じようなものかもしれない。「国家のため」ともっともらしいことを言いながら、詳細は「機密情報なので」と隠すところも似ている。

【“掴みガネ”の実態】現金の餞別をポケットに詰め込み…知られざる官房機密費の「不明瞭すぎる使途」 | FRIDAYデジタル

 

  この男二人のライバル心剥き出しのやり取りがコミカルに描かれるのだが、そんなに面白くはない。一方、二人の間で揺れるヒロインはその進捗を親友に随時報告・相談しており、その様子もコミカルに描かれる。この親友がなかなかエグいことばかり言うので若干引き気味にはなるが、こちらのやり取りの方がまだ笑えた。

 

 

 ただ全体としてはかなり低調で、これを救っているのが二人に言い寄られるヒロインを演じるリース・ウィザースプーンだ。いまいちの内容を彼女の魅力で何とか見られるものにしている。男二人を天秤にかけるという下手すると反感を買ってしまいそうな役柄なのに、まったく嫌味を感じないのは彼女のキャラクターゆえだろう。

 

 男を選ぶ最終段階のテストとして、二人の男と寝比べてみるという嫌悪感を抱かれそうな行為も、彼女の好感度なら突破できてしまうのかと注目したが、さすがにそれは自重したようだ。パートナー選びは人生の重大事なのだから、たくさんの選択肢を持ち、色々と比較検討するのは悪いことではないとは思うが、実際問題としては難しい。就職活動みたいに、今二人から内定頂いています、とか言っている世界線があると面白いのだが。

 

 ラストは予定調和的な結末で、だいぶがっかりする。彼女が一方の男性を選んだ理由がよく分からない。もう一人にはあの女性をあてがっておけばいいやということかと、興ざめしてしまった。

 

 映画冒頭で激しいアクションがあった後はずっとラブコメをやっていたくせに、最後に再びアクションをやり出して、ずっと激しいアクション映画でした、みたいな顔をして終わるのがなんか可笑しかった。意図的だったのかは分からないが。

 

 だがそうやってアクションとラブコメをくっきりと分けるのではなく、二つが上手く融合した展開の方が良かったような気がする。ラブコメの前後をアクションで挟んだ詐欺みたいな映画だが、それなりには楽しめる。

 

スタッフ/キャスト

監督 マックG

 

脚本/原案/製作 サイモン・キンバーグ

 

製作 ジェームズ・ラシター/ロバート・シモンズ/ウィル・スミス

 

出演 リース・ウィザースプーン/クリス・パイン/トム・ハーディ/ティル・シュヴァイガー/チェルシー・ハンドラー/アビゲイル・スペンサー/アンジェラ・バセット/ローズマリー・ハリス/ジェニー・スレイト/ウォーレン・クリスティー/レベル・ウィルソン*

*カメオ出演

 

音楽 クリストフ・ベック

 

Black & White/ブラック & ホワイト - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com