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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ラブ・ポーションNo.9」 1992

ラブ・ポーションNo.9(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 占い師から異性に惚れられる媚薬を手に入れた科学者の男は、科学者仲間の女性と共に研究し、実験と称して使い始める。1959年のThe Cloversのヒット曲「Love Potion No. 9」にインスパイアされた作品。

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感想

 モテない男女が媚薬を手に入れたことから巻き起こるラブ・コメディだ。媚薬を使って男は女子大生に手当たり次第に手を出し、女は金持ちや皇族をメロメロにする。男はともかく女性の欲望はそんなものなの?と思わなくもなかったが、誰でもモノにできるなら、貧乏人より金持ちの男前を選ぶのは当たり前か。オプションの多い上の階層でやりたい放題やっているというのなら理解できる。

 

 媚薬の力を使って散々モテつくした男女は、やがて互いの魅力に気付いて惹かれ合う。この手のラブコメにありがちな展開だ。ただそもそも二人は密かに惹かれ合っていたのか、なぜ惹かれ合うようになったのかが何も描かれておらず、どうにも腑に落ちなかった。それにもし、モテるようになって垢ぬけた相手の姿を見て惚れてしまったのなら、なんだか動機が不純すぎる気がしてしまう。

 

 

 ただ、二人の生活ぶりを交互に描いて趣味や嗜好が似ていることを示し、付きあえばうまくいきそうなことを示唆する序盤のシーンは良く出来ていた。

 

 それから媚薬を使った人の声を聞くと惚れてしまうという設定だったため、中盤に意図せず媚薬が効果を発揮しないよう、ヒロインが主人公に対して黙りこくるシーンがあったが、笑えるというよりはただただ息苦しさを感じてしまった。ラブコメと言いながら案外と笑えるシーンは少ない。

 

 二人がなぜ急に媚薬を使うのを止めたのかが謎だし、その後占い師から新たに手に入れた別の効能を持つ媚薬の設定も分かりづらくて、終盤はただただモヤモヤばかりが募ってしまった。ヒロインのサンドラ・ブロックがまだ売れる前だったとはいえ、あの時代に日本で劇場公開されなかったのも納得してしまうような出来だった。

 

 それにヒット曲からイマジネーションを得た物語なのだから、もっと音楽を前面に押し出して欲しかった。選曲自体は悪くなかったが、使い方がおとなしすぎてほとんど印象に残らなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 デイル・ローナー

 

出演 テイト・ドノバン/サンドラ・ブロック/メアリー・マーラ/デイル・ミッドキフ/ヒラリー・B・スミス/アン・バンクロフト/ディラン・ベイカー/ブレイク・クラーク/エイドリアン・ポール

 

音楽 ジェド・リーバー

 

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