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「BUG/バグ」 2006

BUG バグ

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 モーテルの一室で暮らす中年の女はある男と暮らし始めるが、虫がいると騒ぐ彼の言葉に惑わされ始める。

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 アシュレイ・ジャッド、マイケル・シャノン出演。同名の舞台劇が原作。102分。

 

感想

 モーテルで暮らす中年の女が主人公だ。冒頭は繰り返しかかってくる無言電話、遠くに聞こえるヘリコプターや不調気味のエアコンの音など、耳に意識がいくような演出が続く。神経に触る音ばかりで不穏な気持ちにさせられる。

 

 そんな主人公の部屋に、友人に連れられて一人の男がやってくる。男のどこか浮世離れしたような不思議な雰囲気に心惹かれた主人公は、彼を引き留め、やがて恋仲となる。その間に元夫がやってきたり、彼女の悲しい過去が明らかになったりもして、面白くなりそうな雰囲気がプンプンと漂う展開だ。

 

 

 だが期待でワクワクしたのもここまでだった。男がベッドに虫がいると騒ぎだし、その後はそのくだりが延々と続く。しかも虫が実際にいるわけではなく、男が幻覚を見ているだけだ。主人公は彼の言葉を訝しみながらも、離れたくない一心で同調しているうちに、やがて彼女もおかしくなっていく。

 

 あとは病んだ二人の病みっぷりがただ描かれ続ける。虫がいると互いに何度も言い合うだけだし、その症状も典型的な幻覚症状のものに過ぎないしで、なんの面白みもない。陰謀論者のどうでもいい話をずっと聞かされて続けているようなうんざりとした気持ちにさせられた。あまりのしつこさに、もう分かったから、と冷たく言い放ちたくなる。

 

 せめて男が意図的に主人公を操ろうとしているとか、主人公が男に同調したふりをしながらも立ち直らせようとしているとか、どちらかに何らかの意図があれば物語に新たな展開を期待できるのだが、それもない。ひたすら二人の症状が悪化していくのを見つめるだけだ。

 

 冒頭の音の演出や主人公の悲しい過去は、彼女が病んでいくことに説得力を持たせていて効果的だったし、アシュレイ・ジャッドとマイケル・シャノンが見事な演技を見せているのも認めるが、だから何?となってしまう。ひたすら病人たちの経過観察をさせられる映画だ。

 

 ただ、意外と当時の評価は悪くなかったようなので、20年前は人が病んでいくさまを見ることは新鮮だったのかもしれない。それに、これが小説だったら普通に読めたような気もする。

 

スタッフ/キャスト

監督    ウィリアム・フリードキン

 

脚本    トレイシー・レッツ

 

原作 「Bug」 Tracy Letts

 

出演 アシュレイ・ジャッド/マイケル・シャノン/ハリー・コニック・Jr/リン・コリンズ

 

BUG バグ

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  • Ashley Judd
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BUG/バグ - Wikipedia

 

 

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