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「BUNRAKU」 2010

BUNRAKU (字幕版)

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 ある男が牛耳る近未来の街に、カウボーイと侍、二人の男がやって来る。124分。

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感想

 映像表現に力を注いだ映画だ。面白い画像がたくさん出てきて惹きつけられる。ただ、最初は物珍しさがあるからいいのだが、それに慣れてくると次第に、ところでこれはどんな物語なのだ?と疑問が湧いてくる。

 

 なんとなく分かるのは町を牛耳る男がいること、二人の男がどうやら彼を倒そうとこの町にやって来たらしい、ということくらいだ。でも町を牛耳るボスの悪行三昧を見せつけられるわけではないので、彼の酷さは特段伝わって来ずあまり反感を覚えることはない。また二人の男がなぜ彼を倒そうとするのか、その動機もなかなか明かされないので、彼らにシンパシーを感じることが出来ず、感情移入が出来ない。

 

 

 一応、侍の男は父親の形見のメダルを取り戻すためと言っているのだが、それがどれだけの意味を持つ大事なものなのか、また、どういう経緯でそれが敵の手に渡ったのか、それらが分からないので、命がけでわざわざやるべきことなのだろうかと疑ってしまう。

 

 この映画はつまり、起承転結の「起」の部分をしっかりと描いていないので、その後に何が起きようがまったく関心が持てない。おかげで何の感情も湧かず、ただ画面を眺めるだけになってしまった。しかもこれが2時間以上あるから辛い。

 

 序盤は、つまらないけど映像表現は面白いから、などと庇う気持ちもあったのだが、時間が経つにつれてだんだんと腹が立ってきて、どうでもいいからさっさと終われ、とド直球で願うだけになってしまった。

 

 そんな絶望的な気持ちで画面を眺めていたのに、「10人いるボスの部下は4人倒して残りは6人」みたいなナレーションが入り、え、全部倒すの?あと6人もいるの?と心が折れそうになってしまった。そもそもその10人のことをよく把握していなかったし、その前の4人を倒したことすら気にしていなかった。

 

 クライマックスはラスボスらとの対決だ。一進一退の攻防が繰り広げられるのだが、もうそういうのいいから、とにかくサクサク倒してくれ、としか思っていなかった。カウボーイがボスを倒そうとする動機がそのどこかで明らかになったはずだが、もはや全然覚えてないし、見直す気もしない。

 

 長かったから憎しみが募ってしまったが、これが90分サイズの映画だったらそこまで腹も立たず、そんなに悪くない映画だった、と言っていたような気もする。長い映画は欠点が目立ってしまうので、その分リスキーだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ガイ・モシェ

 

出演 ジョシュ・ハートネット/GACKT/ウディ・ハレルソン/ロン・パールマン/ケヴィン・マクキッド/デミ・ムーア/菅田俊/海保エミリ/(声)マイク・パットン

 

編集 ザック・ステンバーグ/グレン・ガーランド

 

BUNRAKU (字幕版)

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