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「ザ・ファブル」 2019

ザ・ファブル

★★★★☆

 

あらすじ

 休養のために、人を殺さず普通の人として暮らすことをボスに命じられた伝説の殺し屋。

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感想

 ボスに殺しを禁じられた伝説の殺し屋の主人公が、ヤクザの抗争に巻き込まれていく。ただ東京からやって来た主人公が、大阪の住居を世話してくれただけのヤクザの男になぜ義理を感じているのかはよく分からなかった。相手は単純にビジネス上の一環としてやっているだけなのに、それを恩に感じてしまうようでは、今後、色んな人に簡単に騙されて利用されてしまうのでは?と危惧してしまった。

 

 だがその後に描かれる抗争は、なかなか見ごたえがあって面白かった。特にアクションシーンは、邦画のものとは思えないほど良く出来ている。全然世界と比べても遜色のないレベルだ。主人公が大勢に囲まれてしまい、もみ合いになりつつも何とか上階に脱出したシーンなどは、かなり迫力があった。それから道具を使わず建物の外壁をよじ登ったシーンも印象的で、感嘆の声を上げてしまった。

 

 

 主人公はボスの言いつけを守り、敵が致命傷を負わないように攻撃していく。だがあまりにも多くの人間を次々と倒していく様子を見ていたら、もはや殺しては駄目という縛りは意味がないような気がしてきた。どちらにしても動けなくするのだから、死んだか死んでないかなんて些細な違いでしかない。とはいえ主人公は伝説級の殺し屋なので、それぐらいのハンデを設定しておかないと勝負にもならない、ということなのかもしれない。

 

 争いのきっかけを作る凶暴な男を演じる柳楽優弥の強烈な存在感もあって、一連の抗争パートはかなり満足感が高かったのだが、残念だったのはこの物語のもう一つの核となるコメディパートだ。

 

 特殊な環境で育ったために、普通が分からず困惑する主人公の様子はそこそこ面白かったが、大げさに熱がったり笑ったりするシーンはわざとらしすぎて白けてしまった。そしてなんといっても木村文乃演じる主人公の相棒が、やることなすこと何一つ笑えず相当酷かった。映画にマイナスのことばかりで彼女の存在意義が全く不明だったが、原作との兼ね合いがあったのだろうか。

 

 邦画には珍しいなかなか面白いアクション映画だっただけに、この大きな欠点がとてつもなく惜しく感じてしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督 江口カン

 

原作 ザ・ファブル(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

出演 岡田准一/木村文乃/山本美月/福士蒼汰/柳楽優弥/向井理/木村了/井之脇海/藤森慎吾/宮川大輔/佐藤二朗/光石研/安田顕/六角精児/モロ師岡

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音楽 グランドファンク

 

ザ・ファブル

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