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「クーパー家の晩餐会」 2015

クーパー家の晩餐会(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 結婚40年で離婚を決意した夫婦は、子供や孫、父親など一族を招いて最後のクリスマス・パーティを開く。原題は「Love the Coopers」。

 

感想

 離婚を決意した夫婦のもとに集まる一族の群像劇だ。問題を抱えたそれぞれの物語が描かれていく。一族勢ぞろいで食事会なんて幸福そうだが、その実、皆家族にわだかまりを抱えていて、素直に食事会を楽しめる心境ではない。これは多かれ少なかれ、どこの親戚の集まりでも見られる光景だろう。皆が心のどこかに引っ掛かりを覚えつつも義務感を感じながら集まってくる。

 

 ひねくれた家族たちのやり取りを見ていたら、どうして親戚の集まりは気が重いのか、なんとなく分かってきた。自分は一人前の大人として接しようとしてるのに、相手は泣き虫だったりわがままだったりしたまだ幼かった頃の自分のイメージで話しかけてきたりするから、そのギャップにしんどさを覚えてしまうのだ。学校や会社だけの関係などとは違って、親戚同士は互いの情報量が多すぎる。相手のイメージに応えようとするにしても、否定して正そうとするにしても、どちらも心理的に負担は大きい。

 

 

 お互いに相手の過去の幻影に話しかけているようなものだが、そんなてんでバラバラな皆の視線が、一気に正しく現在にフォーカスするのは一族の一大事が起きたときだけかもしれない。今まで当然だと思っていた家族の存在が決して盤石ではなく脆いものだと気づいた時、皆は途端に自分の現在の足元を確認し始める。家族・親戚とはそんなものだ。有事に結束が深まる。

 

 ワチャワチャしていた一族だが、最後はなんだかんだでハッピー・エンドを迎える。そこに至るまでの説明が不十分で都合が良すぎる気がするが、そこはクリスマスだから、と大目に見てもいいかなという気分にはさせてくれた。

 

 嘘の恋人を連れてくる娘の毒舌ぶりや、万引きしてしまうマリサ・トメイ演じる妹の情緒不安定ぶりなど、ユーモラスで笑えるシーンも多く、一族でクリスマスソングを歌うシーンにはほんわかさせられて、クリスマス映画として悪くない仕上がりになっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ジェシー・ネルソン

 

製作総指揮/出演

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出演 アラン・アーキン/ジョン・グッドマン/エド・ヘルムズ/ジェイク・レイシー/アンソニー・マッキー/アマンダ・セイフライド/ジューン・スキッブ/マリサ・トメイ/オリヴィア・ワイルド/アレックス・ボースタイン/ティモテ・シャラメ/(声)スティーヴ・マーティン

 

クーパー家の晩餐会 - Wikipedia

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