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「大怪獣ガメラ」 1965

大怪獣ガメラ

★★★☆☆

 

あらすじ

 北極圏に現れた国籍不明の戦闘機が搭載していた核爆弾が爆発したことにより、眠っていた伝説の大怪獣ガメラが目覚めてしまう。昭和ガメラシリーズ第1作。白黒映画。

 

感想

 ガメラシリーズの記念すべき第一作だ。60年近くも前の作品だが普通に感心してしまうくらい特撮映像は良く出来ている。少しおもちゃ感のある特撮独特の味わいもある。それから映画がモノクロなのもいい効果を生んでいるように感じた。程よいリアリティと迫力を演出している。

 

 ガメラに襲撃されて壊滅状態になった街の映像もすごくて、特撮ではなくロケ映像のようだがどうやって撮ったのだ?と気になってしまったが、後で調べたら実際に起きた災害の映像を流用しただけだった。さすがに映画のためだけに実際に洪水を起こしたり、電車の上に陸橋を落としたりは出来ないか。

 

 

 内容としてはガメラの誕生から退治されるまでが描かれ、第一作ということもあって、ストーリー自体は取りとめのないモノだった。ゴジラもそうだがガメラも誕生には原爆が絡んでおり、当時の人々にとっていかに原爆が身近なものだったのかがよく分かる。

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 ガメラ誕生のきっかけとなった核爆弾の爆発の時も、「核実験でもやってるのかな?」と、皆がのんびりとした反応しか見せなかったのが印象的だった。平和ボケならぬ核ボケで、核があまりにも身近すぎて逆にその脅威に鈍感になってしまっている。砲弾が飛び交う中でも平気な顔して日常生活を送る戦時下の人々のようだ。

 

 それから核爆弾が爆発したその次の瞬間にガメラが現れたシーンでは、いくらなんでも登場が早すぎでしょ、と笑ってしまった。主役の登場なんだからもっともったいぶって、タメてから登場して欲しかった。その方が待ってました!と観客のテンションも上がったはずだ。

 

 少年にガメラの気持ちを代弁させつつも、ガメラを排除するエンディングだ。ガメラを追い出すためになかなかの仕掛けが用意されていて、見ごたえがあって面白かった。

 

 ガメラを自分たちの視界に入らないように別の場所に追いやっただけではないかと少し複雑な気持ちにはなったが、宇宙的な規模で共生のために住み分けするだけだと考えれば納得できなくもない。ガメラが火星でよろしくやっていけるのかは不明だが。

 

スタッフ/キャスト

監督 湯浅憲明

 

出演 船越英二/霧立はるみ/山下洵一郎/内田喜郎/浜村純/左卜全/吉田義夫/古谷徹/*(声)中条静夫

*ノンクレジット

 

音楽 山内正

 

大怪獣ガメラ

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