★★★☆☆
あらすじ
イギリスの諜報機関MI-5のエージェントは、ソ連工作員の不穏な動きを察知する。
マイケル・ケイン、ピアース・ブロスナンら出演。原題は「The Fourth Protocol」。イギリス映画。119分。
感想
英国の米軍基地で核爆発を起こし、英米の関係を悪化させようと企むソ連。一つずつ材料を持ち込み、現場で核爆弾を組み立てるなんて、なかなかのDIY精神だ。しかし、大掛かりな設備がなくても、こんな風に核爆弾は実際に作れてしまうものなのだろうか。本当だったらかなり恐ろしい。
映画の序盤は、そんな恐ろしい陰謀が進行している事は明るみにならず、英国・ソ連両国の諜報機関の動きが描かれていく。せいぜい尾行する程度で派手な動きはなく、このあたりはかなり地味だ。
主演のマイケル・ケイン演じるMI-5のエージェントも、仕事は出来るのだろうが普通のもっさりとしたおじさんぽい外見で、ジェームズ・ボンド的なものは期待できなさそうに見える。一応は電車に飛び乗ったり、天窓から屋内に侵入したりはするので、意外と動けることは動けるのだが。だが、本当の諜報員というのは、きっとこんな風に目立たない容姿をしているものなのかもしれない。
そして、ソ連側の工作員は後にジェームズ・ボンドを演じるピアース・ブロスナン。初見はまず、若い、と思ってしまうが、こちらは男前でアクションも出来そうな雰囲気がある。だが、危険で重要な任務を遂行中だというのに、女に飢えて悶々としているのはちょっと面白かった。失敗の許されない孤独な任務だからこそ逆に、という事なのかもしれない。そう考えると、これもまたある意味でリアルと言えるかもしれない。
地味だったが、終盤にかけて段々と緊張感が高まっていく。クライマックスはサスペンス感のある描写で盛り上げてくれた。ただ、派手な対決はなく、あっさりとした幕切れだったが。そして、そんな陰謀の裏で渦巻いていた思惑が明るみになってエンディングとなる。
意外と国と国の争いなんて、結局は誰かの私利私欲が原因なだけのものがほとんどなのかもしれない。そこで真面目に国のためにと動くと馬鹿を見るだけだ。だからきっと「国家の危機」とかすぐに声高に叫ぶ人間が現れたら、気を付けるべきなのだろう。
スタッフ/キャスト
監督 ジョン・マッケンジー
脚本/製作総指揮 フレデリック・フォーサイス
製作総指揮/出演 マイケル・ケイン
出演 ピアース・ブロスナン/ジョアンナ・キャシディ/ネッド・ビーティ/ジュリアン・グローヴァー/マイケル・ガフ/レイ・マカナリー/イアン・リチャードソン/アントン・ロジャース/アラン・ノース/キャロライン・ブラキストン/ロナルド・ピックアップ/ベッツィ・ブラントリー/マーク・ロルストン/マット・フリューワー
音楽 ラロ・シフリン
