BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ダーティファイター」 1978

ダーティファイター(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 姿を消した恋人のカントリー歌手を追って、友人やペットのオランウータンと共に車で出発したストリートファイター。原題は「Every Which Way But Loose」。

 

感想

 トラック運転手でストリートファイターの主人公が、カントリー歌手の女性と知り合って付き合い始める前半は、盛り上がるに欠ける展開が続く。コメディ映画なのだが、いまいちギャグが分かりづらくて戸惑ってしまう。きっとたくさんの笑いどころを見逃してしまっているような気がする。

 

 主人公は警官やバイカーたちと町でいくつかのトラブルを起こし、後に恨まれて追われることになる。主人公が一方的に迷惑を被っているようなイメージだが、実際のところはそうでもない。勝手に相手の食べ物を食べたり、ぶつかったのに謝らなかったりと主人公に非がある場合もあるのだが、相手が怒ってくると問答無用でぶちのめしたりする。こういう事も素直に笑えない要因になっていると思うのだが、要は主人公もそれなりに悪いヤツでどっちもどっちということだ。これは当時の「男らしさ」を表しているのか、それともそれをギャグとしてやっているのか、今では判断しづらいところだ。

 

 

 ただ後半になり、主人公たちが姿を消した恋人を追って出発してからは、映画の調子にも慣れてきたせいか、段々と面白くなってきた。追ってきた警官やバイカーとの対決も、ろくでもないやつら同士の戦いだと思って眺めていると、なんだかくだらなくて笑えてくる。しかし、この映画ではバイクに恨みでもあるのかというくらい、バイクを破壊しまくっていて、何台廃車にしたのか気になってしまった。それからペットのオランウータンを使ったコミカルシーンもいくつかあってそりなりに面白いが、動物映画と呼べてしまうほどには使い倒していないのが個人的には好感が持てる。

 

 こういうコメディは、恋人とのハッピーエンドで上手くまとめて終わらせてしまいがちだが、そうはしなかったところが徹底していて良い印象を受けた。打ちのめされてとぼとぼと帰路につくバイカーや警官の哀愁のある表情や、その脇を通り過ぎる同じように何も収穫がなかったのになぜか晴れやかな主人公たちの表情は、なんとも言えず味わい深く、いい余韻に浸れる。尻上がりに良くなっていく映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジェームズ・ファーゴ

 

出演

bookcites.hatenadiary.com

ソンドラ・ロック/ジェフリー・ルイス/ルース・ゴードン/ビヴァリー・ダンジェロ/グレゴリー・ウォルコット

 

ダーティファイター(字幕版)

ダーティファイター(字幕版)

  • クリント・イーストウッド
Amazon

ダーティファイター - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com