★★★☆☆
あらすじ
事件解決のためには違法捜査も辞さないチームに所属する警官は、かつての相棒でその後反目していた同僚を殺した犯人を独自に追い始める。
原題は「Street Kings」。
感想
時に法的手続きを無視して犯人逮捕を最優先するチームに所属する警官の男が主人公だ。それが原因で元相棒と反目するようになったが、彼が暴漢に殺害された現場に居合わせた主人公は、その犯人を追い始める。仕事の方向性の違いで仲違いしたとはいえ、元相棒ならではの絆はあったということなのだろう。仇を取りたい彼の気持ちはよく分かる。
ただ犯人に襲撃された時、応戦する主人公が元相棒を誤射しており、それについての反応が何もないのは気になった。落ち込んだり、悔いたりする様子があって然るべきだろう。それともよくある事だからとすぐに割り切れるものなのだろうか。そして、これによって主人公が犯人の一味だと誤解されるのを恐れた警察は、この事件をもみ消してしまった。
それで主人公は独自に捜査を始めるわけだが、その過程で背後に大きな闇がある事に気付き、そしてその陰謀に巻き込まれていく。途中までは緊張感があって面白かったのだが、事件の核心に迫り、その背景が明らかになる段階になると急に話がややこしくなって混乱してしまった。
陰謀の図式をたくさんの人名を挙げながらセリフだけで説明されるのはきつい。しかもそれは序盤の段階から薄々気づいていたことだったので、もっと簡単に説明できたような気がする。
すべてが明らかになってみると、何も知らなかった主人公が馬鹿みたいだ。彼は正義のためなら何でもやる集団の一人のつもりだったのかもしれないが、他は正義ではなく自分たちのためなら何でもやるのメンバーだったわけだ。
だがそれも彼らの俗な態度を見ていれば薄々勘付いてしまうことで、それに落胆する主人公にも、バレてもっともらしい演説をぶつリーダーにも白々しいものを感じてしまった。特に演説のシーンは、全然心を打たない無意味な時間だった。もうちょっと皆が正義面してぶつかり合ってくれていたら、骨太で深みのある映画になったかもしれない。
スタッフ／キャスト
監督 デヴィッド・エアー
脚本 カート・ウィマー／ジェイミー・モス
原案／脚本 ジェイムズ・エルロイ
出演 キアヌ・リーブス／フォレスト・ウィテカー／ヒュー・ローリー／クリス・エヴァンス／コモン／ザ・ゲーム／セドリック・"ジ・エンターテイナー"・カイルズ／ジェイ・モーア／テリー・クルーズ／ナオミ・ハリス／ジョン・コーベット／アマウリー・ノラスコ／ノエルG
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