★★★☆☆
あらすじ
警察官学校を追い出された男は、自分が原因で警官をクビになった男と同じ警備会社の警備員として再開する。
感想
警察官に憧れる黒人警備員と警察官をクビになった白人警備員の物語だ。二人が出会ったきっかけは、黒人警備員の主人公が警官から車泥棒と疑われて声をかけられたことだった。ここでひと騒ぎあり、主人公が警官に暴行されたように見えたために世間を騒がす事件となってしまった。
この一連のシーンは、コメディなので面白おかしく描いてはいるが、もろにブラック・ライヴズ・マターのきっかけとなった事件と同じなので、全然笑えなかった。こんな事件は昔から定期的に起きているので、こんな風にネタにすることでチクチクと白人をけん制しているようにも見えた。
このギャグを笑えるのは、というか笑っていいのは黒人だけのような気がする。この映画ではこういった差別や偏見をネタにしたものが多かったが、アメリカの観客は人種を問わず大爆笑したりしていたのだろうか。そのあたりの感覚がうまく掴めない。
世間を騒がす騒動に発展したこの事件で、主人公は敢えて誤解を解こうとしなかったので、警官は有罪となりクビになってしまう。当然、警官は主人公を快く思っていなかったのだが、ひょんなことから二人はコンビを組み、ある事件の犯人を追うことになる。犬猿の仲の二人が、喧嘩しながらも協力し合う様子がコミカルに描かれる。
ただ、元警官は犯人に相棒を殺された恨みがあるから分かるが、主人公がそれに付きあう理由がよく分からなかった。犯人に差別的なことを言われたから、では弱いような気がするが、主人公的にはそれで十分な理由になるということだろうか。それに警備をしていた倉庫が襲われた責任感と警察官に憧れていたほどの正義感も影響しているのかもしれない。
差別ネタに関しては笑っていいものかと困惑してしまう部分もあり、そんなに笑えるシーンは多くなかった。二人の相棒ぶりもあまり噛み合っているようには見えなかったが、アクションはまずまずといったところだった。音楽も良い。めちゃくちゃ面白いわけではないが、かといって全然面白くないわけではなく、ほどほどには楽しませてくれる映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 デニス・デューガン
製作総指揮/出演 マーティン・ローレンス
出演 スティーヴ・ザーン/コルム・フィオール/ビル・デューク/エリック・ロバーツ/ロビン・リー
音楽 ランディ・エデルマン