★★★★☆
あらすじ
自動車窃盗団を追うも相棒を殺されてしまった刑事は、新しい相棒として新人をあてがわれる。
感想
最初の逃げる窃盗団を追う主人公のカーアクションは迫力があった。最初はよくあるカーチェイスかと思って見ていたら、どんどんと激しさがエスカレートしていく。自然と映画を見る姿勢が前のめりになっていった。古い映画だが、この他のアクションシーンも思っていたより激しく迫力があって、見応えがある。
クリント・イーストウッド演じるベテランの主人公とチャーリー・シーン演じる新人が相棒を組むバディものの刑事映画だ。今さらこんな事を言うのもアレだが、チャーリー・シーンはいい目をしていてスター性がある。トム・クルーズと似たような、人を惹きつける魅力を感じるが、彼と違うのは愛嬌のある笑顔を持っていないことか。チャーリー・シーンは何をしても常に真顔で受け答えするようなイメージがある。
前半は主人公に軽く扱われる新人刑事だったが、主人公が犯人の人質になってしまった後半からは獅子奮迅の活躍を見せる。ただ張り切りすぎて、もはや傍若無人でしかなくなっているのが面白かった。真面目な人間がキレるとだいたいこんな感じになる。
悪党のたまり場になっている酒場に乗り込み、酔客相手に大乱闘、挙句の果てには火を放つシーンなどは、おいおい、それ普通に重罪だけど大丈夫なのか?と見てるこちらが心配になってしまうほどだった。
そして相棒がそんな大暴れを見せる中、人質になった主人公が犯人グループの女相手に一戦交えているのも可笑しかった。さすがどんな時でもモテるクリント・イーストウッドだ。いつ何時でも拒まず、怯むことはない。マッチョだ。
刑事コンビの両者にしっかりと見せ場が用意されており、うまくバランスが取れた構成の物語だ。見る前はそこそこレベルのアクション映画なのだろうなと思っていたのだが、それをいい意味で裏切ってくれた。少しやり過ぎ感はあったが、序盤のシーンを反復するようなラストもひねりが効き、キマっていた。悪くない余韻に浸れる映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/出演
脚本 ボアズ・イェーキン/スコット・スピーゲル
出演 チャーリー・シーン/ラウル・ジュリア/ソニア・ブラガ/トム・スケリット/ララ・フリン・ボイル/トニー・プラナ/ザンダー・バークレー/ポール・ベン=ヴィクター/ロバータ・ヴァスケス
音楽 レニー・ニーハウス
撮影 ジャック・N・グリーン