★★☆☆☆
あらすじ
警官になった男は、父親の元相棒に誘われて汚職に手を染めていく。
原題は「Freelancers」。
感想
死んだ父親の背中を追うように警官になった主人公。しかし、麻薬の密売人までやっていた男が警官になるなんて驚かされる。昔は不良だったとかいうレベルじゃない。だが職業選択の自由があるので、過去がどうあれ、今がまともなら文句を言うことではないのか。
そして初日に半ば強制的に、汚職警官の仲間入りをさせられてしまうのも凄い。ロバート・デ・ニーロ演じるリーダーの堂々とした態度を見れば、かなりの勢力を持っている事が窺える。それなりの志を持っていたはずの主人公が、割とあっさりとそれに染まっていくのも更にビックリなわけだが。ただこれに関しては、警官になる前の素行の悪さが前振りとして効いている。
リーダーの指示に従って様々な悪事を行ううちに、主人公は父親の死の真相を知る。同じように汚職警官だったが、息子のために足を洗おうとして組織に粛清された父親のためにその復讐を果たそうとする。
汚職警官へ堕落するも、そこで真実を知って密かに復讐を誓い、心を鬼にして前進していくという物語だ。そこには心の葛藤や不安や恐れ、様々な感情が入り乱れているはずなのだが、それらが一切描かれない。緊迫感もなく淡々と進行していく。もっとそれぞれのシーンを丁寧に描けば、きれいごとだけではない、清濁併せ呑む凄みのある映画になったかもしれないのに、妙にあっさりとしている。
そんな風で演出に問題があったとは思うが、主演の50セントの役者としての実力不足感も否めない。製作もやっているので彼のための映画ともいえるのだが、もし若い頃のロバート・デ・ニーロが彼の役をやっていれば、もっと爪痕を残していたはずだ。なんなら、ストーリーに難はあるが見ごたえのある映画、くらいに評価を変えていたかもしれない。期待したくなるキャスト陣だっただけに、かなり残念な出来になっている。
スタッフ/キャスト
監督 ジェシー・テレロ
製作/出演 カーティス・“50セント”・ジャクソン
出演
フォレスト・ウィテカー/ボー・ギャレット/マイケル・マグレイディ/ロバート・ウィスダム/ペドロ・アルメンダリス・Jr/ヴィニー・ジョーンズ/ダナ・デラニー
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