★★★☆☆
あらすじ
ヴィラン(敵役)に捕まったスーパーヒーローを助けるために立ち上がったヒーローに憧れる男たち。
感想
アメコミヒーローもののパロディーかと思ったら、この映画自体もアメコミが原作だった。アメコミをパロディーしたアメコミを映画化したということか。ギャグを交えつつ展開されるヒーロー映画。
スーパーヒーローに憧れる人たちが主人公だが、それぞれが自ら設定を考えて扮するヒーローのキャラが独特だ。シャベルを武器にするヒーローだったり、インドのイギリス人という設定で武器はフォークというヒーローだったりと、意味が分からなさ過ぎて笑うというよりも唖然としてしまう。ただ、知らないだけで元ネタがあったりモチーフとなったものがあるのかもしれない。それから、誰も見ていない時だけ透明になれる能力があると言い張るキャラがいて、意味があるのかないのかよく分からないその人を食ったような能力につい笑ってしまったが、よく考えると哲学的でもある。
変なヒーローたちばかりが登場する映画だが、考えてみればネットの世界でよく見かける正義を主張し、何かのために戦っている極端な人たちはこんな感じなのかもしれない。本人はスーパーヒーローのつもりだが、他者からは歪なキャラクターとして揶揄されている。ヒーローというものはそれを認めてくれる人たちがいてこそ成立するのだなと実感させられる。ヒーローを気取るだけではヒーローになれない。このあたりは普通のアメコミヒーローものでも割と定番のテーマではあるが。でも逆に、自分はヒーローじゃないから、正義について考えなくてもいいというわけでもない。
などと映画を観ながら色々と考えてしまったが、物語自体は深い意味が込められているわけでもなく(多分)、お気楽に観られるコメディー映画となっている。日本語字幕でセリフの面白さをうまく伝えきれていない感じもあり、あまり笑える箇所は多くなかったが、それなりには楽しめる。アメコミものらしい映画の雰囲気と使われる音楽は良かった。
スタッフ/キャスト
監督 キンカ・ユーシャー
出演 ベン・スティラー/ハンク・アザリア/ウィリアム・H・メイシー/グレッグ・キニア/ジェフリー・ラッシュ/クレア・フォーラニ/ジャニーン・ガラファロー/トム・ウェイツ/ポール・ルーベンス/ウェス・ステュディ/レナ・オリン/ダグ・ジョーンズ/エディー・イザード/デイン・クック/ルイーズ・ラサー/リッキー・ジェイ/ジェニファー・ルイス/コービン・ブルー
音楽 スティーヴン・ウォーベック