★★★☆☆
あらすじ
太古の時代に地球を襲った宇宙人が再び地球に現れ、他のヒーローたちと共に闘おうとするバットマン。
「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ 第5作目。
感想
地球の危機にシリーズのスーパーヒーローたちが集結するスペシャル回だ。復習として前作の「ワンダーウーマン」とその前作「スーサイド・スクワッド」を見直して臨んだのだがあまり関係なかった。それよりもさらに前の1作目、2作目を見直しておくべきだった。スーパーマン亡き後の世界が描かれている。
前半はバットマンがヒーローたちに協力を求める様子が描かれる。地球の危機だというのに皆が案外とつれない態度で乗り気じゃないのが意外だった。頼まれるまでもなく当然のように集まるものだと思っていた。それぞれに事情はあるのだろうが、敵の侵略を止めるより大事なことなんかあるの?と彼らの認識の甘さにがっかりしてしまう。
それでもやがて、仕方がないなといった感じで皆が三々五々集まり始めるが、結局全員が揃うのに映画開始から50分くらいかかってしまっている。しかしなんだかんだ言ってもヒーローたちが勢ぞろいしたシーンにはワクワクするものがあった。
そしてスーパーマンも復活し、いよいよヴィランのステッペンウルフとの対決が始まる。皆が個性を生かして協力し合い、良いコンビネーションを見せて戦う様子は見ごたえがあった。メンバーの中では、超高速で動けるフラッシュが良くも悪くも目立っている。彼は、マーベルのアベンジャーズにおけるスパイダーマンのような面白キャラ担当だ。実際に面白いかどうかはまた別の話ではあるのだが。
映画に程よくバトルシーンが盛り込まれ、クライマックスも迫力があるのだが、それでもいまいち気分は盛り上がらない。その要因はヴィランのキャラの希薄さにありそうだ。今どきシンプルに「悪者です」と登場されても全然心に響かない。彼の背景もキャラも描かれず、地球を征服して何がしたいのかも分からないまま、ただ「とにかく悪玉です」の一点張りでは深みがない。もっと戦いが盛り上がるような因縁を作って欲しかった。
それにスーパーマンを特別視しているせいで、別にヒーローが勢ぞろいしなくても、スーパーマンだけで勝てそうな雰囲気もあった。せっかくのスペシャル感も、古臭い勧善懲悪の構図のおかげで平凡な物語になってしまっている。
ところで最近アマゾンプライムでドラマ「ザ・ボーイズ」を見ていたのだが、これに登場するヒーローたちはこの映画を参考にしていたのかと合点がいった。ドラマのメインのスーパーヒーローたちの人選がよく分からなかったのだが、この映画のヒーローたちの並びと見比べるとしっくり来た。
スタッフ/キャスト
監督/原案 ザック・スナイダー
脚本/原案 クリス・テリオ
製作総指揮
エマ・トーマス/ジム・ロウ/ウェスリー・カラー/カーティス・カネモト/ダニエル・S・カミンスキー/クリス・テリオ/ベンジャミン・メルニカー/マイケル・E・ウスラン
製作総指揮/出演 ベン・アフレック
出演 ヘンリー・カヴィル/ガル・ガドット/エズラ・ミラー/ジェイソン・モモア/レイ・フィッシャー/エイミー・アダムス/ジェレミー・アイアンズ/ダイアン・レイン/コニー・ニールセン/J・K・シモンズ/キアラン・ハインズ/アンバー・ハード/ジョー・モートン/*ビリー・クラダップ/*ジェシー・アイゼンバーグ/*ジョー・マンガニエロ
*ノンクレジット
音楽 ダニー・エルフマン
登場する作品
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前作 DCエクステンデッド・ユニバース 第4作目
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製作途中で離脱したザック・スナイダー監督の初期構想に基づくディレクターズカット版