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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「オー!」 1968

オー! (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 銀行強盗グループのドライバー役を務めるも仲間から軽んじられていた元レーサーの男は、皆を見返そうと機会を窺う。フランス映画。

youtu.be

 

感想

 事故でライセンスをはく奪され、今は銀行強盗グループで皆に軽んじられながらもドライバー役を務める元レーサーの男が主人公だ。自分の立場を不満に感じ、いつか皆を見返してやろうと思っている。そしていざそのチャンスがやって来て、反撃開始か?と期待したら凡ミスで思わぬ展開になるのが面白い。

 

 ただ映画全体としてみると、主人公が最終的にはどうなりたいのかがよく分からない。そして各シークエンスを見ても、しっかりとした前振りがないので、そこで主人公が何をしようとしているのかがはっきりとは分からない。見ているうちになんとなく主人公の意図が見えてくる演出だ。おかげでメリハリのない、だらだらとした印象の映画となってしまっている。

 

 

 だがそれでも飽きることなく、なんだかんだで見れてしまうのが不思議だ。予想外の展開が起きる先の読めないストーリーと、主演のジャン=ポール・ベルモンドの魅力のおかげだろうか。彼のファッションも含めた洒落た雰囲気や、各所に散りばめられたさりげないユーモアも一役買っているのだろう。

 

 ラストも、想像していなかったハードモードな結末が待ち受けていた。皆が死んでしまって主人公だけが生き残る。たまたま一つの事がうまくいって世間に持ち上げられ、有頂天になってヒーロー気取りだった主人公が、最後に現実を思い知らされる。

 

 だが、現実はそんな甘いものではないと、この時点でようやく気付くなんて、ずいぶんと幼稚な気がしないでもない。とはいえ、自分は特別なんだと思いたい気持ちはよく分かる。それだけに、結局は他の悪党たちと同じことをやってしまっている主人公の姿に悲しみを覚えてしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ロベール・アンリコ

 

出演

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ジョアンナ・シムカス/シドニー・チャップリン

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*ノンクレジット

 

オー! (字幕版)

オー! (字幕版)

  • ジャン=ポール・ベルモンド
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オー! - Wikipedia

 

 

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