★★★★☆
あらすじ
聖杯の行方を追ううちに消息不明となった父親を探すため、イタリア・ヴェネツィアに向かったインディ・ジョーンズ。
シリーズ第3作。127分。
感想
主人公の紹介がてらにちょっとした冒険の様子が描かれるいつも通りの始まりかと思ったら、実は主人公の少年時代だった冒頭のシーンは意外性がある。そして演じるリバー・フェニックスが美少年だ。懐かしい。期待感の高まるスタートだった。
今回は主人公の父親が登場し、親子の関係をメインに冒険が繰り広げられる。インドア派で慎重な父親は、ワイルドな主人公とは正反対だ。そのギャップでコミカルさを演出しつつ、足りないものを補い合うような関係にもなっていて、良いコンビネーションだった。
この父親をショーン・コネリーが魅力的に演じており、主演のハリソン・フォードと互いの良さを潰し合うのではなく、引き立て合っているのが素晴らしい。窮地を脱してハイテンションになる主人公と無反応の父親との対比が見られるシーンは可笑しかった。そしてそれに気づいた主人公のリアクションにもまた笑ってしまう。
もちろん、いつものようにヒロインも登場して、見せ場のロマンスもちゃんとある。しかし親子の関係を中心に描くため、彼女は途中でしばらくストーリーから消える。おかげで気付けば主人公一行におじさんしかいない時間帯があり、しかもそれがかなり長い時間続いたりするのだが、それが全然気にならないのはスター二人の力のおかげだろう。彼らだけで十分に華がある。
アメリカからイタリア、オーストリア、ドイツ、トルコと舞台が移り、陸海空それぞれで派手なアクションシーンがある。ロマンスやコメディもあってまさに冒険活劇といった趣だ。シリーズ第一作の登場人物が再び顔を見せるのも楽しく、また、各地の雄大な自然や遺跡の映像も美しく見ごたえがある。
楽しい雰囲気で進行しておいて、終盤に父親が撃たれていきなりピリッと張りつめた空気に変わるのも良かった。目当てのお宝を目前にした緊張感も加わって、見ている側の集中力が再び高まる。メリハリのある展開だ。
最後は、わだかまりのあった親子が絆を確かめ合い、一同は颯爽と荒野に去っていく。バラエティに富んだ盛りだくさんの内容で大満足できる映画だ。晴れやかな気分になれる。
スタッフ/キャスト
監督
製作総指揮 ジョージ・ルーカス/フランク・マーシャル
出演
ショーン・コネリー/リヴァー・フェニックス/アリソン・ドゥーディ/デンホルム・エリオット/ジョン・リス=デイヴィス/ジュリアン・グローヴァー/マイケル・バーン/マイケル・シェアード/ロバート・エディソン/ポール・マクスウェル/ブラッドリー・グレッグ/ヴァーノン・ドブチェフ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ダグラス・スローカム
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