★★★☆☆
あらすじ
伝説のクリスタル・スカルの捜索中に消息を絶った旧友を助けるため、それを知らせに来た青年と共に現地に乗り込むインディ・ジョーンズ。
シリーズ第4作目。122分。
感想
前作から19年ぶりの続編だ。映画の中でも19年の時が過ぎている。主人公もしっかりと歳をとり、動きにキレはなくなっているが、あれからもずっと冒険を続けていたのだなと感慨深くなる。考えてみれば、冒険家は長く出来る職業なのかもしれない。
序盤は、核実験や赤狩りなど重いトピックが織り交ぜられており、スピルバーグやジョージ・ルーカスに当時や現在の状況に何か思うところがあったのだろうかと勘繰ってしまうが、その他にも映画「アメリカン・グラフティ」や「乱暴者」の引用も見られるので、単に当時の雰囲気を伝えようとしていただけなのかもしれない。
今回の主人公は、シャイア・ラブーフ演じる青年を相棒に、ソ連・KGBの妨害を受けながらもクリスタル・スカルの謎に迫っていく。ただ、冒頭からそうだったが、敵に拘束・脅されている時間帯が多く、また屋内や地下や夜といった暗い場所でのシーンも多くて、なんとなく閉塞感があった。敵との距離が常に近すぎる。
アクションも、過去のシリーズ作品にあったような記憶に残りそうなシーンは無かった。高齢のハリソン・フォードを補佐するための若い相棒の見せ場もそれほどなく、効果的なコンビネーションとは言い難かった。コミカルで笑えるシーンも少ない。
だがそれでも、クライマックスに突入していく終盤は徐々に盛り上がっていった。そしてこれまでになかったSF的展開となっていく。個人的にはがっつりとしたSFより、こんな風に終盤に突如SFになるものの方が好きかもしれない。そう来たか、と意外性のある展開になんか許せてしまう。
人気シリーズなのでハードルを上げ過ぎてしまった感はあるが、その期待値を上回ってはくれなかった映画だ。ケイト・ブランシェット演じる敵役とあまりバチバチとしたやり取りがないままに終わってしまったのも物足りなかった。
スタッフ/キャスト
監督
脚本 デヴィッド・コープ
原案/製作総指揮 ジョージ・ルーカス
原案 ジェフ・ナサンソン
製作 フランク・マーシャル
出演
ケイト・ブランシェット/カレン・アレン/シャイア・ラブーフ/イゴール・ジジキン/レイ・ウィンストン/ジョン・ハート/ジム・ブロードベント/アラン・デイル/ニール・フリン/サーシャ・スピルバーグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 - Wikipedia
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