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「暗いところで待ち合わせ」 2006

暗いところで待ち合わせ

★★★☆☆

 

あらすじ

 ひとり暮らしの盲目の若い女性の家に、ある事件で警察から逃亡中の容疑者が忍び込み、暮らし始める。

 

感想

 盲目の女性の家に潜伏し、奇妙な同居生活を送る男、というストーリーは、アイデアとしては面白いのだが、色々と残念な部分が多い映画だ。まず二人の距離感。田中麗奈演じる主人公は、いくら盲目といっても、誰かがすぐそばに立ったら気配くらいは感じるはずだ。そして気配を感じたら手を伸ばしたりしそうなものだがそれをしない。男もそれを知っているかのように、主人公が近くに来ても気にせず、まったく警戒しない。ものすごい不自然だ。敢えて異常に接近させる演出もあったが、緊張感よりも気づかない驚きの方が大きかった。

 

 そして、いつも同じ部屋にいる二人。男に別の目的があったとしても、主人公が一階にいるときは二階に、二階にいるときは一階に、というように、普通ならなるべく離れようとするだろうにと不思議だった。なんで敢えて同じ部屋でいるのかが謎で、そこにリアリティが感じられなかった。男が食料にしていた食パンだって、毎日食べたら普通の倍の速さで減っていくわけだから、主人公が気づいても良さそうなものなのにその気配もない。そういったディテールの説明が雑だ。そういうところで面白くなるのに。

 

 

 それから2時間以上の作品となっているが、もっと短くできたはずだ。テンポも悪いし、プロットの構成が変だ。序盤の母親のくだりはいらなかったなと思っていたら、終盤に再度そのシーンが出てきたので、あれは必要だったのかと思い直したのだが、でも特に必然性は感じられず、やっぱり不要だった。なんで突然、母親への想いを吐露する場面を見せる必要があるのか、意図がわからない。

 

 それにクライマックスも、すでに観客は知っている事なのに、男に劇的な感じで「実は…俺は無実なんだ!」と言わせてたりして、え、知ってたけど?と逆に戸惑ってしまった。さらにその後、主人公は真犯人と二人きりの密室という危険極まりない状況で、名探偵よろしく謎解きを始めちゃって意味不明だ。当然窮地に立たされちゃってるし。なんだか色々話の進め方がおかしい。この辺りをいったん整理し直して、ちゃんとやってくれたら納得感のある良い映画になる気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 天願大介

 

原作 暗いところで待ち合わせ

 

出演 田中麗奈/チェン・ボーリン/井川遥/宮地真緒/波岡一喜/岸部一徳/佐野史郎/津田寛治/原史奈

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