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「ラストナイト・イン・ソーホー」 2021

ラストナイト・イン・ソーホー (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 60年代のカルチャーに憧れ、デザイナーを夢見てロンドンにやって来た少女は、夜な夜な古き良き時代のロンドンにタイムスリップするようになる。

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感想

 60年代に憧れ、ファッションデザイナーを夢見る若い女性が主人公だ。だが最初は時代設定がよく分からず、普通に60年代が舞台なのかと思ってしまった。主人公が鄙びた田舎で祖母と暮らしているので、「今」を感じられるものがほぼ無かったせいだろう。ロンドンに向かう列車の中で主人公がワイヤレスのヘッドホンをしているシーンがあり、そこで初めて現代の設定なのかと気付いて驚いた。

 

 ロンドンで新生活を始めた主人公は、夜な夜な60年代にタイムスリップするようになる。序盤に60年代風に描いた演出が効いて、すんなりとこの世界観に入っていけた。主人公はここでスター歌手を夢見る若い女性と出会い、彼女の人生を追体験するようになる。

 

 

 最初は古き良き時代というのがぴったりな、夢見るようなロンドンの夜の世界が描かれる。夢を追う主人公とオーバーラップさせながら、ノスタルジックな夢物語になっていくのかと思いきや、一転して陰鬱な展開へと変わってしまう。物語がどこに向かうのかが予測できずにヤキモキさせられるが、雰囲気の良い映像や音楽に惹きつけられて、関心を失ってしまうことはなかった。

 

 主人公が自身を重ねている60年代の若い女は、男に騙されて転落していく。都会を夢見る少女が陥る典型的な破滅のパターンだが、主人公もそれに波長を合わせるようにおかしくなっていく。ただこの暗く重苦しいパートは、型通りな展開も手伝って少し停滞感があった。

 

 だがクライマックスへと向かう終盤は一気に盛り返してきた。定まらなかった方向性がホラーへと進路を定め、一気に突き進んでいく感じは気持ちよかった。どこかレトロな雰囲気を漂わせるホラー描写も、怖さの中に趣があってグッとくるものがあった。

 

 最初からホラーの雰囲気をあからさまに漂わせるのではなく、最終的に気付けばホラー映画になっていたという印象の映画で、意外性があって面白いストーリー展開だった。店舗も小気味よく、伏線もしっかりと散りばめられている。ホラー映画はあまり好みではないのだが、この映画は楽しめた。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/製作 エドガー・ライト

 

出演 トーマシン・マッケンジー/アニャ・テイラー=ジョイ/マット・スミス/ダイアナ・リグ/リタ・トゥシンハム/テレンス・スタンプ/サム・クラフリン/ジェームズ・フェルプス/オリバー・フェルプス

 

音楽 スティーヴン・プライス

 

撮影 チョン・ジョンフン

 

ラストナイト・イン・ソーホー (字幕版)

ラストナイト・イン・ソーホー - Wikipedia

 

 

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