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「アジャストメント」 2011

アジャストメント (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 上院議員に立候補するも落選した男は、アクシデントにより人々の運命を司る「運命調整局」の存在を知ってしまい、好意を寄せていた女性と二度と会わないよう忠告される。

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 原題は「The Adjustment Bureau」。

 

感想

 人々があらかじめ定められた運命通りに生きているか確認し、微調整を行なう「運命調整局」が存在する世界の物語だ。この組織の者らは人間ではなく、神様に仕える天使みたいなものだろうか。手違いにより彼らの存在を知ってしまった主人公が、会うことを禁じられた女性を探し求めるストーリーだ。

 

 調整局の者らは、ノートの状況とともに変化するチャート図のようなものを見ながら人々の運命が計画通りに進行しているかをチェックしている。言葉でいちいち説明してしまうとややこしくなって矛盾も生じたりするので、雰囲気だけのチャート図でなんとなくそれを表現する手法は上手いなと感心した。綿密な説明に観客が無駄に考え込んでしまい、集中できなくなってしまうことがない。

 

 

 主人公は組織の目をかいくぐり、なんとか彼女と再会し、関係を深めようとする。彼らは最初に、常に監視しているから逃れることはできないよと主人公に忠告していたので、二人が結ばれた時も彼らに見られているのかなと想像してゾッとしていたのだが、本当に彼らの一人が仁王立ちでベッドの二人を凝視しているシーンがあり、それにはちょっと笑ってしまった。

 

 クライマックスは、組織の妨害に抗い続けた主人公が彼女を連れ、直談判するために運命を司る者のもとに向かうシーンだ。どうやって説き伏せるのかと興味津々で見守っていたのだが、早々に相手があっさりと折れてしまったので拍子抜けしてしまった。しかも理由がしょうもない。逆にそんな理由で認めてしまっては駄目だろうと注意したくなるくらいだった。

 

 それなりにハラハラはしたのだが、割とすんなりとハッピーエンドを迎えてしまった印象で、アクションというほどのアクションはなく、ラブストーリーとしての盛り上がりにも欠けた。もうちょっと何か欲しかったなと思ってしまうような物足りなさがある。ありがちではあるが、主人公に恋人を取られてしまった婚約者の男が、全く顧みられることがなかったのも気の毒だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ジョージ・ノルフィ

 

原作 「アジャストメント(調整班)」 「アジャストメント ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫SF)」所収

 

出演 マット・デイモン/エミリー・ブラント/アンソニー・マッキー/ジョン・スラッテリー/マイケル・ケリー/テレンス・スタンプ/アンソニー・ルイヴィヴァー/ブライアン・ヘイリー/ジョン・スチュワート

 

音楽 トーマス・ニューマン

 

アジャストメント (字幕版)

アジャストメント (映画) - Wikipedia

 

 

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