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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「マッド・ダディ」 2018

マッド・ダディ(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 ある日突然、親たちが子供を殺害し始める現象が起き、襲いかかる両親から必死に逃げようとする姉弟。

 

感想

 あらすじだけ聞くとなかなか凄惨な内容で、実際にそれなりに血が流れたりもするのだが、ジャンル的にはブラックコメディと言った方がいいような映画。爆笑することはないがニヤリとするシーンはある。ビッチの女子高生があっさり死ぬというホラー映画あるあるもちゃんとやっている。

 

 平凡な日常を過ごしながら、在りし日の青春を懐かしく思い出す大人たち。自由気ままな時代は終わって、今は様々なものを背負って生きている。そんな中で一番ままならないのは子供たちの存在だ。予想もつかない突飛なことをやり出すし、言うことを聞かないし、生意気な事も言う。彼らのように輝いていない今の自分に嫌気がさし、また彼らのために失ったものの事を考えると腹立たしくもある。

 

 

 「計画的陳腐化」という言葉が出てきて、新製品が出ることでそれまでの製品が過去のものにされてしまう事、と説明されるのだがいろいろと示唆的だ。成長する子供たちの存在は、自分たちの時代が終わりつつあることを実感させる。

計画的陳腐化 - Wikipedia

 

 そしてある日突然子供たちを襲い始める親たち。背景にはそういった嫉妬や苛立ちの感情があることを暗示してはいるが、具体的な原因は示されない。原因を明かさず謎のままにしておくという手法もありだとは思うのだが、ここまでそれらしき事を描いているのだったらズバリと明確にして欲しかった。モヤモヤとしてなんだか落ち着かない気分になってしまった。

 

 ニコラス・ケイジのキレる父親の演技はいつものごとく面白かったし、映像にもセンスを感じたのだが、そういったストーリーの築き方がいまいちで、あまり気分が乗れなかった。親が子供を殺すというのはやはり禁忌感が強いということもあり、どこか遠慮気味で思いきって描けていなかったような気もする。

 

 それからどういった目線で映画を見ればいいのか良く分からなかったというのもある。子育てを経験した親だったり反抗期の若者だったりしたら、分かりやすく感情移入出来て、より楽しめたのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ブライアン・テイラー


出演 ニコラス・ケイジ/セルマ・ブレア/アナ・ウィンターズ/ザカリー・アーサー/ランス・ヘンリクセン/ボキーム・ウッドバイン

 

マッド・ダディ(字幕版)

マッド・ダディ(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

マッド・ダディ - Wikipedia

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