★★★☆☆
あらすじ
かつての事件で部下を失い、自暴自棄の生活を送っていた刑事は、犯人たちが再び動き出したことを知る。
感想
最初の1時間は、主人公が犯人グループに翻弄され、精神的に痛めつけられる過去シーンと、それがきっかけで酒におぼれ自堕落な生活を送る現在の様子が延々と描かれ、かなり見ているのがしんどい。
このしんどさを紛らわせてくれるのが、主人公を復活させようとサポートするニコラス・ツェー演じる若い警官のはずなのだが、それがうまく機能していない。お調子者で空気を読まないキャラクターで、後ろ向きな主人公を強引に引っ張り、そして観客を和ませないといけないのだが、彼の演技力のせいなのか、脚本のせいなのか、そんな風にはなっていない。ただカッコつけてるだけのイライラさせる奴になってしまっている。おそらく演技力と脚本、両方の問題だ。その結果、重苦しい展開の最初の1時間にイライラの要素までが加わることになってしまった。
この映画にはそのニコラス・ツェーの他、若手の役者がたくさん出ており、興行的な部分を意識しているのだろうが、中身的にはジャッキー・チェンの老け具合を強調しただけで特に効果的には感じなかった。ただ出演しているだけといった感じで、結局束になってもジャッキー・チェンには敵わないということを示してしまっている。
若手役者らが演じる犯人グループは、金ではなく、犯罪自体のスリルが目的の金持ちのボンボンのグループだ。一昔前はこんな感じの知能は高いが目的が不明の犯人を描く映画やドラマが多かったなと、なんだか懐かしくなってしまった。プロファイリングする心理分析官が出てくるような。
ただ結局は親のすねをかじる甘ったれた子供たちといった感じで、最後の対決シーンもあまり気分的には盛り上がらなかった。そもそもグループの時点で、一人一人が小粒という事なので、ジャッキー・チェンと互角に戦えるわけがない。クライマックスの見せ場になるような強そうな敵を一人用意しておいてほしかった。
その他にも、主人公の婚約者の挙動がいまいち理解できないとか、色々と盛り上がれない要素が散りばめられている。アクションシーンはいつものジャッキー映画同様に見応えはあるのだが、他の若手出演者とのバランスを気にしてあまり目立ち過ぎてはいけないと遠慮したのか、抑え気味のような印象も受けた。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ベニー・チャン
製作総指揮/出演
出演 ニコラス・ツェー/ダニエル・ウー/チャーリー・ヤン/シャーリーン・チョイ/アンディ・オン/ヒロ・ハヤマ/ユー・ロングァン/Boy'z/ディープ・ン/ウー・バイ
香港国際警察/NEW POLICE STORY - Wikipedia
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