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「マリー・ミー」 2022

マリー・ミー (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 結婚を間近に控えたスター歌手は、コンサートの最中に婚約者の浮気を知り、動揺から会場にいた観客の数学教師にプロポーズしてしまう。

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感想

 ポップスターの女性が一般人の男性と恋に落ちる物語だ。もともと現実離れした話ではあるのだが、それを補うものが何もなく、リアリティが感じられないまま物語が進んでしまう。主人公の歌手が動揺していたとはいえ、コンサート中に観客席の男性にプロポーズするのは意味不明だし、してしまったものは仕方がないとその後も結婚したように振る舞おうとするのもよく分からなかった。

 

 相手となる数学教師は、娘の付き合いでコンサートに行っただけで、スターとしての彼女にまったく関心がなかった。失恋したらしい彼女に対する優しさからわがままに付き合ってあげたということだが、コンサート中はその場のノリで、ということで分からなくはないのだが、その後の結婚ごっこにまで付き合ってあげるのはいくら何でもお人好しすぎる。

 

 

 最初は主人公が教師に惚れていく。ちやほやされるのが当たり前の世界にいた彼女の目には、まったく違う世界で生きている教師の男は新鮮に映ったのだろう。男はそれまでもちょくちょく彼女の「当たり前」に疑義を呈していたのだが、付き合い始めてからはもっと積極的に彼女にダメ出しをするようになる。だがこれは結局、女に男の理想を押し付けるダメなやつなのでは?と思ってしまった。彼は教師なので、何でも自分で出来る一人前の大人にならなければならない、と考えての指導のつもりだったのかもしれないが。

 

 男が主人公と住む世界が違い過ぎることに怖気づいてしまったり、主人公が男の周囲の人々や娘と交流したりと、住む世界が違う二人の恋定番のエピソードはあるのだが、映画「ノッティング・ヒルの恋人」のようにはなっていかず、どこまでも嘘くささが付きまとっていた。笑えるシーンもあまりないので、お姫様の物語をただ眺めているだけ、みたいな気分だ。

 

 ただ音楽はいいので、ジェニファー・ロペスが好きな人や、彼女の楽曲が好きな人なら普通に楽しめそうだ。自分はそんなことあるわけないと思い込んでしまっているのであれだが、ターゲットとして想定されている人たちにはちゃんと響く映画だろう。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 カット・コイロ

 

原作 Marry Me #1 (English Edition)


製作/出演 ジェニファー・ロペス

 

出演 オーウェン・ウィルソン/マルーマ/ジョン・ブラッドリー/クロエ・コールマン/サラ・シルヴァーマン/ジャミーラ・ジャミル/ジミー・ファロン

 

音楽    ジョン・デブニー

 

マリー・ミー - Wikipedia

 

 

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