★★★★☆
あらすじ
組織内に大統領暗殺を企むテロ集団と内通する者がいるとの情報を受け取ったシークレットサービスの男は、内部調査を行うがハメられて自身が疑われてしまう。108分。
感想
主人公は、かつての暗殺未遂事件で大統領を身を挺して守ったシークレット・サービスの男だ。しかし有能で皆から認められているのは分かるのだが、親友に妻を寝取ったと思い込まれているのはどうなの?と思ってしまった。しかも大統領の妻とは完全に不倫をしている。人間性を疑ってしまうのだが、それはそれ、これはこれ、ということなのだろうか。
主人公は不倫の件で何者かに脅され、大統領暗殺を企む内通者に仕立て上げられてしまう。だが隙を見て逃亡し、親友だった調査官に追われながら、大統領暗殺を阻止するため本物の内通者を探し始める。まるで映画「逃亡者」みたいな展開だが、内容も同様に緊迫感溢れるものになっている。しかし、主演のマイケル・ダグラスはいいサスペンス顔をしている。
長年の経験と知恵を活かし、追手から逃れながら真相に迫ろうとする主人公の姿は見ごたえがあった。特に追手の元親友との愛憎相半ばする追走劇には惹きつけられる。だが、十分に堪能し切る前になし崩し的に二人が和解してしまったのは残念だった。もうちょっと元親友の、認めたくないけど認めるしかない葛藤を描いて欲しかった。
クライマックスは、元親友と協力して大統領暗殺を阻止する場面だ。内通者も判明するのだが、これが脅されて仕方なく協力している男で、あまり悪人らしさがない。もっと敵役らしく悪者ぶりを見せて欲しかったが、フィクションとはいえ、シークレット・サービスにノリノリで暗殺を企む人はいて欲しくないという大人の事情があったのかもしれない。テロの実行犯たちとの対決もあっさりと片が付いてしまい、幾分か拍子抜けしてしまうクライマックスだった。
肝心なところで物足りなさが出てしまい、盛り上がり切らないところはあるが、全体を通して緊張感があり、楽しめるサスペンス映画となっている。
スタッフ/キャスト
監督/出演 クラーク・ジョンソン
脚本 ジョージ・ノルフィ
製作/出演 マイケル・ダグラス
出演 キーファー・サザーランド/エヴァ・ロンゴリア/キム・ベイシンガー/デヴィッド・ラッシュ/マーティン・ドノヴァン/グロリア・ルーベン/*ジャッキー・バロウズ
*クレジットなし