★★★☆☆
あらすじ
これまでの活躍を忘れ、マトリックスの世界で著名なゲームデザイナーとして生活していた主人公は、よく行くカフェで出会う女性になぜか心惹かれてしまう。
マトリックス三部作の続編で、シリーズ第4作目。148分。
感想
個人的に「マトリックス」シリーズは、一本目は最高だがあとは付け足しのようなものだと思っている。作品ごとにボルテージが上がっていった「スター・ウォーズ」の最初の三部作とは違う。だから続編が作られたのは意外だった。これも昨今のリバイバルやリブート、続編ブームの一環なのだろう。
ちょっと冷めた気持ちで見始めたのだが、こちらのそんな気持ちを見透かすように、映画内で「マトリックス4」を嫌々作るメタ展開があったり、過去の三部作の映像をふんだんに引用していたりして、意外とノリが軽い。重厚さはないが、気負いなく自由に作っている感じが伝わって来て、序盤は悪くなかった。
これまでの三部作の内容は制作したゲームの話で、自分はゲームの世界と現実を混同してしまっていると主人公が思い込んでいる設定は面白かった。
だが、いよいよ主人公が現実世界に戻って話が本題に入っていくと、映画のテンションはだいぶトーンダウンしてしまう。二作目以降の難解になり過ぎた世界観が引き継がれているのでストーリーをしっかりと追えなくなり、アクションシーンも新鮮味の感じられないいつものやつだ。というか主人公は、なにかといえば両手を前に差し出して敵の銃弾を防ぐばかりで、ずっと一本調子だった。ただ音楽だけは、過去の映画の記憶がよみがえる感じがあって良かった。
久々の続編で描かれるのは、主人公とヒロインの愛だ。壮大な世界観でそれ?と思ってしまうが、愛がなければ世界を救おうなんて思わないはずだから、すべての始まりは愛だろうと言われたら頷くしかない。物語の原点を描いたと言える。
シリーズの世界観を完全に理解しているとは言えないので、改めて第一作目から見直してみようかなと思わせてくれる映画ではあった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ラナ・ウォシャウスキー
脚本 アレクサンダル・ヘモン/デイヴィッド・ミッチェル
製作 グラント・ヒル/ジェームズ・マクティーグ
出演 キアヌ・リーブス/キャリー=アン・モス/ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世/ジェシカ・ヘンウィック/ジョナサン・グロフ/ニール・パトリック・ハリス/プリヤンカー・チョープラー・ジョナス/マックス・リーメルト/ジェイダ・ピンケット・スミス/ランベール・ウィルソン/クリスティーナ・リッチ/チャド・スタエルスキ/エレン・ホルマン
音楽 ジョニー・クリメック/トム・ティクヴァ
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