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「ワイルド・スピード MEGA MAX」 2011

ワイルド・スピード MEGA MAX (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに潜伏していた主人公ふたりは、地元を牛耳る悪徳実業家の全財産を奪うことを目論み、かつての仲間たちを呼び寄せる。

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 「ワイルド・スピード」シリーズ第5作目。原題は「Fast Five」。

 

感想

 前作は原点回帰だったが、今作ではこれまでのシリーズの登場人物たちが集結し、「オーシャンズ11」のような話が繰り広げられる。ただ、基本的には皆車好きなだけなので似通っており、個性を生かして活躍する感じはあまりなかった。それでも歴代のメンバーが顔を揃えたのにはワクワクした。

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 しかしこういう展開になってみると、メインのポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルのコンビが揃わなかったシリーズ2作目、3作目は効果的だったと感じる。続編が続くと登場人物は増えていくが、その代わりに人間関係が限定的になって狭い世界の話になりがちだ。だがこのシリーズはまったく毛並みの違う2作品があったおかげでその弊害はなく、逆に大きなユニバースが自然と出来上がっていた。

 

 だから、ただ過去作のメンバーが揃っただけなのに、アベンジャーズ的なヒーロー集合の雰囲気が出ている。最初から計算していたわけではなく、キャストを揃えてシリーズを続けるのも苦労しただろうが、結果的にそれが功を奏したわけだ。

 

 

 主人公ふたりがリオの裏社会のボスと対立し、仲間を呼び寄せて彼の全財産を奪おうと企むストーリーだ。そこに指名手配の主人公ふたりを追うアメリカ外交本部の捜査官も加わって三つ巴の戦いとなる。主人公らは両者にマークされているわりには自由に動けているし、片方が動くときは片方がおとなしくしていてくれる都合の良い展開ではあったが、緊張感とコミカルさを交えて彼らが作戦準備を進める様子は見ごたえがあった。

 

 そしていよいよ作戦開始という時に捜査官が突入してきてしまう。主人公の一人ヴィン・ディーゼル演じるリーダーとドウェイン・ジョンソン演じる捜査官の激しい格闘が行われるのだが、両者ともにガタイの良いスキンヘッドで、どっちがどっちだか分からないよと可笑しかった。

 

 綿密な計画を立てて準備を進めていたのに結局強引な手を使い、なぜか意外な人までチームに加わって、豪快に大金を奪い、町を破壊しながら逃走するクライマックスは、メチャクチャなのだが爽快感があった。最後にちょっとした驚きも用意されていて、それもまた小粋な演出だった。

 

 これで終わりかと思ったら、その後に長い後日談が続き、続編の匂わせまである。普通なら蛇足に感じてしまいそうなものだが、意外といやな気はしなかった。皆が揃ったスペシャル感、大作感があるからだろうか。細かいことなどどうでもいいやと思わせてくる娯楽作だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジャスティン・リン

 

製作/出演 ヴィン・ディーゼル

 

出演 ポール・ウォーカー/ジョーダナ・ブリュースター/ドウェイン・ジョンソン/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/サン・カン/ガル・ガドット/マット・シュルツ/テゴ・カルデロン/ドン・オマール/エルサ・パタキー/ジョアキム・デ・アルメイダ/マイケル・アービー/エヴァ・メンデス

 

ワイルド・スピード MEGA MAX - Wikipedia

 

 

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