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「ジョン・ウィック」 2014

ジョン・ウィック(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 引退した伝説の殺し屋が、妻の病死後に偶然強盗に襲撃され、犯人一味のマフィア組織に対して復讐に立ち上がる。

 

感想

 復讐に燃える引退していた伝説の殺し屋が主人公だ。緩急を付けずに怒涛の勢いで銃を撃ちまくるのが気持ちいい。

 

 しかも確実に殺していくスタイルなのが新鮮だ。普通のアクション映画ではモブキャラは一発でやられてしまいがちだが、この映画では一人に対して何発も撃ち込み、最後は頭を撃ち抜く念の入りようだ。もしかしてまだ生きているのでは?という疑念を抱かせない。

 

 

 銃撃戦以外も肉弾戦やカーアクション等どれも激しく、それらを融合したようようなアクションも試みられていて見ごたえがある。

 

 そして警察が見逃してくれたり、専用のホテルがあったり、後処理専門業者がいたりして、殺し屋たちに一定のステイタスがあるような世界観となっているのも面白い。福利厚生がしっかりしているというか、殺し屋が気持ちよく仕事ができそうな環境だ。

 

 主人公は伝説の殺し屋と恐れられるくらいだから、つけ入るスキのないほど圧倒的に強いかと思っていたが、反撃を喰らったり、割と簡単にやられて捕まり、絶体絶命の状況に追い込まれたりする。あれ?と思ったが、それでも挽回したり、窮地を脱することができるからすごいのか。運が良かっただけとも言えるが、運すらも引き寄せられるとも言える。

 

 それから、あとは殺されるだけの万事休すの状態にもかかわらず、それでも相手を脅迫して見せる姿は、本来ならただの負け犬の遠吠えでしかないのだが、彼がやったら鬼気迫る迫力があってなんだかカッコよく見えたから不思議だ。

 

 主人公を陰ながら助けるのが、ウィレム・デフォー演じる友人の殺し屋だ。ただなぜ彼がそんなことをするのか、いまいち動機が分からなかった。だが同業の他の殺し屋たちが主人公の妻の病死を知りながら何もしなかったのに対し、彼だけが主人公を励ましに会いに行っているのでそれだけ絆が深かったということなのだろう。

 

 考えてみれば復讐のきっかけは、車が盗まれ飼い犬が殺されたことで、本人からすればもちろん許せないのだろうが、第三者的に見ればマフィア組織を全滅に追い込むまでのことではないだろうと思わなくはない。だがこの映画にはなんとなく日本人的な「仁義」を重んじる空気が感じられる。主人公は仁義としてこれをやらなければならないと考えたのだろう。そして友人の殺し屋が掟を破ってまで主人公を助けたのも、それが仁義だからなのかもしれない。

 

 スタイリッシュさに重きを置いた映画で、クライマックスでわざとらしく雨が降っても全然気にならないくらいカッコ良くキマっていた。音楽も良い。爽快感のある痛快なエンタメ作品だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 チャド・スタエルスキ/デヴィッド・リーチ

 

製作 ベイジル・イヴァニク/デヴィッド・リーチ/エヴァ・ロンゴリア/マイケル・ウィザリル

 

製作総指揮/出演 キアヌ・リーブス

 

出演 ミカエル・ニクヴィスト/アルフィー・アレン/エイドリアンヌ・パリッキ/ブリジット・モイナハン/ディーン・ウィンタース/イアン・マクシェーン/キース・ジャーディン/タイット・フレッチャー/ケビン・ナッシュ/クラーク・ピータース/ランス・レディック/ブリジット・リーガン/ジョン・レグイザモ/ウィレム・デフォー/トーマス・サドスキー/デヴィッド・パトリック・ケリー

 

音楽 タイラー・ベイツ/ジョエル・J・リチャード

 

ジョン・ウィック(字幕版)

ジョン・ウィック - Wikipedia

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