★★★☆☆
あらすじ
実は助手のワトスンがすべての謎を解いており、シャーロック・ホームズは元役者のただの操り人形に過ぎない、というコンビが新たな事件に挑む。
感想
メインの役者がマイケル・ケインとベン・キングズレーだったり、音楽担当がヘンリー・マンシーニだったりして、かなり古い映画だろうと思っていたのだが、1988年公開なのでそこまでは古くはない映画で意外だった。ヘンリー・マンシーニは90年代はじめまで活躍していたのか。
実はシャーロック・ホームズはただの操り人形で、助手のワトスンがすべて事件の推理をしていたという設定のコメディ映画。すでに有名なホームズの話は中身がなくても皆感心して聞くのに、ワトスンの重要な話は誰も聞こうとすらしないとか、なかなか皮肉が効いている。少しとぼけた様な、ひねりのあるイギリス風の笑いが散りばめられている。
これはこの映画に限った話ではないのだが、シャーロック・ホームズのような名探偵は、頭脳は優れていても腕力がないので、相手が暴力に訴えるとなす術がないのだなと思った。だからすぐに暴力行為に及ぶような粗野な犯人とは相性が悪い。名探偵物は推理が正しければ素直に降参するような理知的な犯人の事件しか扱えないので、意外とオールマイティではないのかも。もしくは持ち前の頭脳で、暴力を振るえない状況に持ち込んでいるのかもしれないが。
最初は、実際に推理しているワトスンの身振り手振りをうかがって、ホームズが必死に名探偵ぶる様子で笑いを取っていたが、映画の佳境でワトスンが不在となり、ホームズ自身が本当に推理しなければいけない状況になるのは上手い展開だった。彼が元舞台役者だったというのも良い伏線となっている。
ちなみに犯人役のモリアーティ教授は、説明もなく唐突な感じで現れるのだが、「シャーロック・ホームズ」シリーズでは有名なキャラクターのようなので当然か。ただ、彼の事を詳しく知らなくてもそんなに影響はない。
彼らが追う事件もそれなりのミステリーとなっていて、それなりのコメディと合わせて、全体的にそこそこ楽しめる内容となっている。
スタッフ/キャスト
監督 トム・エバーハード
出演 マイケル・ケイン/ベン・キングズレー/ジェフリー・ジョーンズ/ポール・フリーマン/ナイジェル・ダヴェンポート
音楽 ヘンリー・マンシーニ
迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険 - Wikipedia
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