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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「燃ゆるとき」 2006

燃ゆるとき

★★☆☆☆

 

あらすじ

 アメリカでの売り上げを増加させるために、現地法人に赴任することになったカップ麺会社の営業社員。

 

感想

 現地でのカップ麺のシェアを伸ばす使命を与えられてアメリカにやってきた主人公。味の改良やコスト削減、そのための取引先との交渉や社内での調整など、主人公たちが目標に向かって努力する様子がプロジェクトⅩ風に描かれていて、前半は面白い。そして無性にカップラーメンが食べたくなってくる。

 

 ただ後半は、会社の経営権を奪おうとする投資会社に対抗する話がメインになってくる。これが会社経営のリアルなのかもしれないが、要するにただの守りの話でしかないので、正直あまり面白くない。それに守り切った後に反転して攻撃に出るような話でもないのでカタルシスも得られない。

 

 それから後半になるにつれて段々と気になってくるのは、何かといえばアメリカをけなし、それに比べて日本はすごいとマウントを取ろうとする姿勢。きっとこの映画は「日本すごい」ブームの一環として作られたのだろう。必要以上にアメリカを邪悪に描いてしまっているような気がする。とはいえそこまでして「日本すごい」と持ち上げようとしているのは、努力と根性と浪花節。あまりのしょうもなさに脱力してしまう。クライマックスの主人公のスピーチは、なんだそれ?と思ってしまうような内容で寒々しかった。

 

 

 映画の公開当時はこの「日本企業すごい」に人々は心癒されていたのか、それとも懐かしんでいたのかよく分からないが、今だと、もはや時代劇でも見ているかのような気分。そして前半にはあんなに食べたい気分になっていたカップラーメンの事も、エンディングを迎える頃にはすっかり忘れてしまっていた。

 

スタッフ/キャスト

監督 細野辰興

 

原作 燃ゆるとき (角川文庫)新・燃ゆるとき ザ エクセレント カンパニー (角川文庫)

 

出演

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大塚寧々/長谷川初範/中村育二/伊武雅刀/鹿賀丈史/ジョン・ギブソン/木下ほうか/奈良橋陽子/矢島健一/ピーター・ケント

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音楽 川崎真弘

 

燃ゆるとき

燃ゆるとき

  • 中井貴一
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燃ゆるとき - Wikipedia

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