BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「お嬢さん」 2016

お嬢さん(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 日本統治下の朝鮮半島。日本の資産家を狙う詐欺師の手配で、女中として送り込まれた少女。

www.youtube.com

 

感想

 日本統治下の朝鮮半島が舞台だ。日本の資産家の家に乗り込むという設定のため、韓国語と日本語が飛び交う映画となっている。字幕を見ていたら、突然字幕なしの中途半端に上手い日本語が飛び出したりして、序盤は特に混乱する。

 

 キル・ビルぐらい無茶苦茶な日本語なら微笑ましく見ていられるのだが、この映画では皆それなりに上手くて、逆に微妙なイントネーションの違いなどが気になってしまい、なんだか集中力を乱される。日本語ネイティブだけが感じるマイナスポイントではあるが。

bookcites.hatenadiary.com

 

 そんな序盤の混乱で登場人物の相関関係が把握しづらかったが、日本の華族に婿入りして帰化した朝鮮人とその日本人妻の姉の娘、そして資産を狙う朝鮮人の詐欺師たちが主要人物だということが分かって来る。つまり、日本人は帰化した朝鮮人の姪だけで、他はすべて朝鮮人ということになる。微妙になりがちな日韓関係に配慮した上手いバランスだ。

 

 映画は、見ていたストーリーが何度もひっくり返される展開で、手に汗握る。そこに性的な要素がかなり激しめに加えられ、妖しげな雰囲気も醸し出している。登場する二人の女性、キム・ミニとキム・テリはともに美人だが、肌の質感は残酷なほどに年齢差を感じさせるなと、妙に冷静に思ったりもした。だいたい8歳の差がある。

 

 

 話が二転三転し、結局、詐欺師の男が痛い目に合わされるのだが、そこにあまりカタルシスは得られない。彼は悪人ではあるが、出し抜こうとしたわけではないからだろう。そしてよく考えると、詐欺師の男、日本人令嬢、女中と全員悪人だ。つまり悪人同士の騙し合いだったわけだ。勧善懲悪的にやられたわけでなく、騙し合いに負けたからやられたということになる。

 

 韓国語と日本語のちゃんぽんで少しイライラさせられることを除けば、結末の読めない物語で楽しめた。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 パク・チャヌク

 

原作 荊の城 上 (創元推理文庫)


出演 キム・ミニ/キム・テリ/ハ・ジョンウ/チョ・ジヌン

 

お嬢さん (2016年の映画) - Wikipedia

お嬢さん(R15+) | 韓流 | 無料動画GYAO!

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com