★★☆☆☆
あらすじ
ギャラリーの経営に行き詰まり、マフィアのマネーロンダリングに手を貸すことにした画商の女。
ユマ・サーマン、サミュエル・L・ジャクソンら出演。95分。
感想
金に困り、マフィアのマネーロンダリングの申し出に応じた女が主人公だ。殺し屋に描かせた絵が思わぬ反響を呼び、騒動になっていく。
アートの評価なんてあやふやなもので、買う方も金持ち同士の自慢のネタだったり、節税対策のためにやっているだけ、という業界の欺瞞をあぶりだしている。ただ、皮肉や風刺たっぷりに面白おかしく描いているのかと思いきや、そうでもない。そもそも適当に描いた素人の作品が評価されてしまうというプロット自体がありきたりだし、紹介されるアート界隈の実情もさして新鮮味はない。
それに門外漢の殺し屋やマフィアたちが、アートの世界に大きな反応をしないのも問題だろう。彼らは観客の気持ちを代弁する役割を担っているのだから、大げさに驚いたり、文句を言ったりするなど、もっとコミカルにリアクションをするべきだった。彼らが「そんなもんだろうね」みたいな冷めた態度をとるものだから、観客も斜に構えてしまって盛り上がらない。
ただ、武器商人や麻薬王といった裏社会の超大物たちもアートコレクションには積極的で、接触するのすら困難なマフィアが近づくには好都合と、両者を結びつけたアイデアは面白い。確かに彼らもこっち方面の活動の時には警戒を緩めそうだ。
足を洗ってアートに専念したくなった殺し屋が、難易度最高のターゲットを殺すことで、ボスに足抜けを認めてもらおうとするのがクライマックスだ。主人公と共謀して作戦を実行する。
だが、この肝心のクライマックスが分かりづらい。なんとなく、足抜けを許さないだろうボスらも出し抜いた大どんでん返しとなりました、みたいな感じになっているのだが、想定内のことしかしておらず、どこがびっくりするポイントなのかさっぱり分からなかった。そもそも当初の計画がどんなものだったのかもよく分からないので、比較してみることすらもできない。
ずっと低調なままの映画だ。主人公がラストで見せる、してやったりの得意げな顔が空しい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ニコル・パオーネ
製作/出演
出演 ジョー・マンガニエロ/マヤ・ホーク/デビ・メイザー/ドリー・ヘミングウェイ/ラリー・パイン
