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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「狼たちの報酬」 2008

狼たちの報酬(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 銀行員、ギャングの手下、歌手、医師らの人生が交錯する物語。原題は「The Air I Breathe」。97分。

 

感想

 様々な人物が登場し、彼らの人生が少しずつ交錯して織りなす物語。うまくいけば「パルプ・フィクション」のようにめちゃくちゃ面白くなったのだろうが、これは明らかに失敗している。やりたいことは分かるのだが、上っ面だけでまるで中身が伴っていない。

 

 まず各エピソードの主人公たちのことがしっかりと描かれていないので、観ていてもあまり話に身が入らない。フォレスト・ウィテカー演じる銀行員は真面目一筋でやって来たのなら相当貯金はあるのでは?とか、サラ・ミシェル・ゲラー演じるデビューしたての歌手は実際どのくらいの人気があるの?とか、次々と気になることが出てくるのだが、それに答えてくれることはない。テンポを重視したのかもしれないが、要所は押さえておいて欲しかった。その他にもケヴィン・ベーコンやアンディ・ガルシア、ブレンダン・フレイザーらも出てくる豪華な出演陣なのにもったいない。

 

 

 そして、それぞれのエピソードがどれもいまいちで、ありがちというか、中途半端というか、思わせぶりなだけで実際のところあまり大したことがなく、面白みに欠ける。それでも最初はテンション高く描かれていたのでまだ良かったが、中盤以降は一気にトーンダウンしてダレてしまい、観るのがだいぶしんどかった。97分しかない映画なのに、めちゃくちゃ長く感じてしまった。

 

 ラストは上手くまとめたと言えるのかもしれないが、それまで皆でつないできた物語がなぜ女性歌手に集約されるのかがよく分からなかった。そもそも彼女は売れたくて、人気者になりたくて歌手になったはずだろうに(これも説明がないのでよく分からない)、マネージャーが変わったくらいでどうしてそんなに嫌がるのかがよく分からなかった。契約書が譲渡されただけなので契約内容自体は変わらないはずだ。自分から人が去っていくのが悲しいと言いたいのだろうが、それとは別にきっと夢だっただろう歌手として頑張れよ、と思ってしまった。それなのにあのエンディング。ハッピーエンド風だったが、それはハッピーエンドなのか?と思ってしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジェホ・リー

 

出演 フォレスト・ウィテカー/ブレンダン・フレイザー/サラ・ミシェル・ゲラー/ケヴィン・ベーコン/アンディ・ガルシア/ジュリー・デルピー/ジョン・チョー/ケリー・ヒュー/テイラー・ニコルズ/トッド・スタシュウィック/ジョン・バーンサル/クラーク・グレッグ

 

音楽 マーセロ・ザーヴォス

 

狼たちの報酬(字幕版)

狼たちの報酬(字幕版)

  • ケヴィン・ベーコン
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狼たちの報酬 - Wikipedia

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