★★★☆☆
あらすじ
英国政府によって雇われた男は、チームと共に武器商人が売ろうとしている危険な”何か”の正体を探り、それが買い手に渡る前に回収する任務に取り掛かる。
感想
英国政府に任務を依頼されたチームの話だ。その中の一人である主人公は、閉所恐怖所なので移動はプライベートジェットでないと無理、不安障害だから高級ワインを飲まないと無理、リハビリしたいから高級リゾート地に行かないと、等とわがまま放題のキャラクターだ。
それをクソ真面目な顔で、さも当然とばかりに要求するから面白い。だが、能力ある人物がそれをするのが当たり前な世の中であってほしいものだ。
チームはスペイン、アメリカ、フランスなど、世界各地を飛び回りつつ、謎の兵器の正体に近づいていく。各地で行われるミッションは笑いあり、アクションありでそれなりに面白いのだが、どれも期待値を上回ることはなく、どうにももどかしいものがあった。
おそらくイギリス的な皮肉の効いたジョークが多くて、それが上手く字幕で伝えられていない部分もあるのだろう。それにテンション高く繰り出すものでもないので、相乗効果的に盛り上がっていくことも難しいのかもしれない。ポツンポツンと散発的に笑いがある印象だった。
煮え切らない展開が続くが、武器の正体が明らかになり、転売を阻止する段階になったクライマックスで、主人公らがマークしていたヒュー・グラント演じる武器商人が凄みを見せるシーンは見ごたえがあった。それまではとらえどころのない、食えないキャラクターだったのに、急にカッコ良くなる。
彼のような人物をカッコ良く描いてしまっていいのか?というのはあるが、武器商人は転売屋と同じで、合法であれば完全には悪とは言えない存在なので、この描き方でもダメではないのだろう。そもそも彼が映画スターが大好きなミーハーである時点で、嫌いになれないところはある。
平均以上には面白いはずなのに、突き抜けた何かが欲しかったなと、どこか不満を覚えてしまう盛り上がり切れない映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ガイ・リッチー
製作/出演
出演 オーブリー・プラザ/ジョシュ・ハートネット/ケイリー・エルウィス/バグジー・マローン/エディ・マーサン/マックス・ビーズリー