★★★★☆
あらすじ
妹が何者かに刃物で襲撃されたため、恋人と共に久々に故郷に戻って来た女。
シリーズ第5作目。114分。
感想
これまでの監督ウェス・クレイヴンが亡くなってしまったので、シリーズ終了かと思っていたが終わっていなかった。しかもこの後、第六作目も作られている。
もはや定番とも言えるキッチンで電話を受けた若い女が襲撃される冒頭のシーンは、新しくスマホを小道具として使ったりしながらもオーソドックスな展開で安心感があった。始まったなと見る態勢を整えることが出来る。
いつもより襲撃シーンの描写が激しい印象はあるが、今回もシリーズやホラー映画に関するメタ的な言及がたくさんあって楽しい。今作の映画のタイトルは「スクリーム5」ではなく「スクリーム」だが、ちゃんと何作目か分かるように数字を入れろよと自ら突っ込んでいるのには笑ってしまった。
しかしこれは原点回帰の意味が込められていることも匂わせていて、第一作目と似たような展開となることを示唆しているのは上手かった。高校生たちのパーティで、女子高生が一人で地下室にビールを取りに行くシーンは、第一作目を思い出してニヤニヤとしてしまった。だがここでは何も起きない。今回は思わせぶりな透かしのシーンが多かったような気がする。
メインとなるのは故郷に戻って来た若い女の主人公と妹の友人グループの高校生たちだが、これまでのメインだったメンバーも登場する。リポーター役のコートニー・コックスが現れた時は、その老けっぷりに少したじろいでしまったが、ネーヴ・キャンベル演じる元メインキャラとのコンビは、数々の窮地を潜り抜けて来ただけのことはあるベテランの貫禄があってカッコ良かった。経験を元にした若者たちへのメタ的アドバイスや、小細工トラップをあっさりと見破ったりするところなどは面白くもあり、頼もしくもあった。
犯人が明らかになるクライマックスは、メタ的言及の多さに若干閉口したが、最後までハラハラとさせる展開だった。最終的に、主人公が一番ヤバいのでは?となるのもいい。
シリーズが続くことで起きがちなマンネリも自ら笑い飛ばして、なかなか良く出来ている。映画の中の高校生たちがしていたように、肩ひじ張らずに気楽に楽しめるホラー映画となっている。
スタッフ/キャスト
監督 マット・ベティネッリ=オルピン/タイラー・ジレット
脚本/製作 ジェームズ・ヴァンダービルト
出演 デヴィッド・アークエット/ネーヴ・キャンベル/コートニー・コックス/マーリー・シェルトン/メリッサ・バレラ/ジェナ・オルテガ/ジャック・クエイド/メイソン・グッディング/(声)ロジャー・L・ジャクソン/ディラン・ミネット/カイル・ガルナー/マイキー・マディソン/スキート・ウールリッチ*/ヘザー・マタラッツォ*
*カメオ出演
音楽 ブライアン・タイラー
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