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「白い指の戯れ」 1972

白い指の戯れ

★★★☆☆

 

あらすじ

 捕まってしまった初めての男の知り合いに、スリの犯行グループへの加入を誘われた女。

 

感想

 伊佐山ひろ子演じる主人公と最初の男の二人で物語が展開していくのかと思いきや、序盤で男は逮捕され退場してしまう。ということは主人公が次から次へと男を乗り換えていく展開か、と思ったのだがそれも違い、次の男で落ち着いてしまった。なんだか不思議なストーリー展開。「最初」は始まりを示すだけのものでしかなくて、それ以上の意味はないということなのか。

 

 登場人物たちは、スリや窃盗をしたり、皆で乱痴気騒ぎをしたりと、その場限りの刹那的な生き方をしている。まるで生き急いでいるかのよう。このあたりはアメリカン・ニューシネマぽさを感じるのだが、春歌?を口ずさんだりしてちゃんと日本らしさを出そうと努力しているのが伝わってきて、好感が持てる。

 

 そしてスリの犯行場面はしっかりと描かれている。見ていて思うのは、昔は人との距離感が近かったのだなという事。知らない人たちに囲まれても平気だし、互いに気軽に話しかけるし、単純に身体的な距離感も近い。だからこそスリもやりやすいわけだが、今なら怪訝な顔をされたり警戒されたりしてしまいそうだ。

 

 車のクラクションがあちこちで鳴り響く昔の日本の映像を見て驚いたことがあったが、昔は日本も発展途上国のようだったのだなと感慨深い。中国も今はだいぶマナーが良くなったと聞くし、人々の生活レベルが上がって洗練されていくと、互いに距離を取って干渉しないようになっていくものなのかもしれない。それからスリのシーンでかかるヒソヒソ声が入ったようなどこか落ち着かない気分になるザワザワとした音楽が良かった。

 

 

 最後は反権力のメッセージが感じられるような展開で、視点も主人公から男に変わってしまっているしで、少し話があちこちに取っ散らかってしまっている印象を受ける。ただこれも「日活ロマンポルノ」という縛りがあるせいだろう。この縛りがなく自由に撮れていたら、もっと面白くなっていたような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 村川透

 

脚本 神代辰巳

 

出演 伊佐山ひろ子/石堂洋子/荒木一郎/粟津號

 

音楽 小沢典仁

 

白い指の戯れ

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