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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「終わりで始まりの4日間」 2004

終わりで始まりの4日間 (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 母親の葬儀のために9年ぶりに故郷に戻って来た青年は、一人の女性と出会う。

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 原題は「Garden State」。

 

感想

 冒頭からユーモアを交えた表現で、主人公の青年の現状を描き出していく。面白くて笑えるのだが、勝手にナタリー・ポートマンがメインの映画だと思っていたので、彼女が出てくるまでは少し落ち着かない感じもあった。そして、割と時間が経ってからようやく彼女は登場する。ちなみに後で知ったが、主演のザック・ブラフが監督・脚本もやっているので、完全に彼の映画だった。

 

 行き詰った主人公の前に現れるナタリー・ポートマン演じる謎の女性。精神科のクリニックで出会っただけあって、最初はヤバさが目立つ変わった女性という印象だったが、次第に普通の女性に見えてきた。それから、ラグビーのヘッドギアをなぜ持っているのか、その切ない理由をあえて明るく語る彼女の姿は可愛らしかった。主人公は主人公で問題を抱えているのだが、そんな明るく振る舞う彼女との出会いが彼にポジティブな影響を与えていく。

 

 冒頭から主人公が少しおかしいのは伝わっていたが、それがなぜなのかは中盤にようやく明かされる。そしてその理由はなかなかショッキングなものだった。それまで、母親の葬儀なのになぜリアクションが薄かったのか、父親とよそよそしいのはなぜなのか、どうして長い間故郷に戻らなかったのか、など色々と不思議だったのだが、一瞬にして理解できてしまった。彼が言うように気まぐれや偶然、そして不運が幾つも重なって不幸な事件が起きてしまい、一生背負わなければならい十字架を背負ってしまった事になる。想像するだにかなり辛い現実だ。

 

 

 久々に戻った故郷でおかしな彼女と出会い、やがて人生を前向きに生きるきっかけをつかんだ主人公。でもそれは彼女のおかげというよりもまず、9年ぶりの再会なのに主人公を温かく迎えてくれた友人の存在の方が大きかった気がする。彼がいなければ、ただ主人公は彼女と二人きりでこじんまりと過ごすだけで、大きな変化は起きなかったかもしれない。変な奴なのに、主人公のために何かしてやろうと思いやる友人の心に胸が熱くなった。

 

 シリアスで深刻な内容を、とぼけたユーモアを交えながら軽いタッチで描いたよく出来たヒューマンドラマだ。心温かな気持ちになれた。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/出演 ザック・ブラフ

 

製作総指揮 ダニー・デヴィート/マイケル・シャンバーグ/ステイシー・シェア

 

出演 ナタリー・ポートマン/ピーター・サースガード/イアン・ホルム/ジーン・スマート/メソッド・マン/アン・ダウド/ロン・リーブマン/デニス・オヘア/マイケル・ウェストン/ジム・パーソンズ

 

音楽 チャド・フィッシャー/アレクシ・マードック

 

終わりで始まりの4日間 - Wikipedia

 

 

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