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「しあわせの帰る場所」 2011

しあわせの帰る場所(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

  久しぶりに帰省した作家の男は、実家に戻る途中で不慮の事故が起きた事を知る。

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感想

  子供の頃からの父親との確執を抱えたままの主人公。久しぶりの帰省にも全く気が乗っていないことが分かる。そんな中で突然の出来事。意外な展開だった。状況的には皆がもっと動揺し、打ちひしがれてもいいと思うのだが、あまりにも突然すぎて実感がわかないということだろう。

 

 そんな出来事が起きてしまい、一族が勢ぞろいしても、皆がどこかで心のわだかまりが出来てしまっている。互いに少しずつ言葉を交わして、再び打ち解けていく。

 

 

 そんな中で主人公が、いとこの小さな子供たちを連れて釣りに行ったり、夜の庭で戯れたりするのだが、魚を爆竹で破裂させて遊んだり、ホタルをラケットで叩き潰したりと、やってることがえげつなくて引いてしまった。子どもならまだしもいい歳した大人がやるなんて理解できない。

 

 おそらく主人公の心が病んでいる表現というわけでもなく、アメリカでは違和感なく受け入れられる普通の行動なのだろう。風情がないというか、この点では彼らときっと永遠にわかり合えないのだろうなと思ってしまった。ちなみに原題は「Fireflies in the Garden(庭の蛍)」なので、蛍のシーンは結構重要なのだが。彼らはクワガタやカブトムシだって、害虫扱いで殺虫剤で殺してしまうというし。

 

 この映画でメインとなるのは、父親と主人公との確執だ。幼い頃の回想シーンを交えて進行するのだが、どう考えても父親が最低なだけ。何かと子供に厳しくあたり、威圧的な態度を取る父親は、そもそも家庭に何を求めているのだ?と思ってしまった。自分で家庭の空気を悪くしておいて、空気が悪いと怒鳴り散らしているのだからたちが悪い。

 

 子供のころの主人公も黙って言うことを聞いてればいいのにと思わなくもないが、相手が理不尽なんだから反発したくなるのも理解できる。特に頭の良い子ならなおさらだ。でもそれがさらなる父親の怒りをかってしまう。

 

 最後は皆で昔の思い出の映像を見てほっこりして大団円。正直、それでめでたしめでたし、となるのはズルいと思うし、そもそも何の解決もしていない。でも、家族というのはそんなものなのかもしれない。

 

 明確な謝罪だとか許しの言葉をもってまとまるのではなく、良い時もあったわけだし家族だし、という曖昧な理由でなんとなく受け入れてしまい、ズルズルと続けてしまう関係。根底には、どうせ縁は切れないのだから、というあきらめがあるような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 デニス・リー


出演 ライアン・レイノルズ/ウィレム・デフォー/エミリー・ワトソン/ヘイデン・パネッティーア/キャリー=アン・モス/ヘイデン・パネッティーア/ヨアン・グリフィズ/ブルックリン・プルー

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しあわせの帰る場所(字幕版)

しあわせの帰る場所(字幕版)

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