★★★☆☆
あらすじ
裕福な家を出て肉体労働をして暮らす青年が、父親が病気で倒れたことを知り帰郷する。
感想
肉体労働をし、恋人や仲間と馬鹿騒ぎし、日々を無為に過ごす青年。だが、ピアノを弾けたり、恋人の音楽の趣味に文句を言ったり、同僚との会話の中に、どことなく育ちの良さも伺わせる。映画はそんな男の不毛ともいえる日々を淡々と描く。
父親を見舞うために帰郷し、これで少しは何か起きるかなと思って観ていたのだが、一向に何も起きない。主人公は時々感情を爆発させることはあるが、普段の行動には何かの意図を感じさせない。ただただ現状に満足できずにいるだけだ。
ついてきた恋人の階級差を感じさせる場違いな振る舞いに苛つき、訪れた客の気取った振る舞いにも怒りを爆発させる。どちらの世界にもなじめない。驚いたのは、家を出たのは父親との確執などがあったからではないようだということ。自分のやりたい事があって、衝突して家を出たわけではなく、ただそこにはもう居たくないと家を出たということになる。
やりたい事もなく外に出れば、そりゃ無為な日々になるわなと思わざるを得ない。しかも、夢も持っていない自分を愛せない青年である。どこにいても自分はふさわしくないと思ってしまう。結局、いつの間にか姿を消すことになる。ラストは思わず、うわぁ・・・と長い嘆息が出てしまった。きっと彼は一生こんな風に生きていくのだろう。
スタッフ/キャスト
監督/原案/製作 ボブ・ラフェルソン
出演
カレン・ブラック/ビリー・グリーン・ブッシュ/ロイス・スミス
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