★★★☆☆
あらすじ
ショービジネス界での活躍を夢見るダンサーの男は、たまたま見に行った舞台に出演していた一人の女性に惹かれる。映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編。
感想
冒頭からダンスと音楽でたたみ掛けてきて、この時代のベタなダンス映画の雰囲気全開でちょっと笑ってしまった。ただ、見終わった後に知ったのだがこれはヒット映画の続編なので、いきなりこれくらいのテンションで始めても、観客はそれを受け止める準備ができていたのかもしれない。
主人公はショービジネス界での成功を夢見て、日々オーディションを受けたり、売り込みをかけたり、それ以外の時はインストラクターやウェイターのアルバイトをしながら暮らしている。夢を何よりも優先し、モテるのだが女遊びはしないし、酒もたばこもやらない。
しかし彼のそんなストイックな姿勢も、ひとりの魅力的なダンサーの女性が現れた途端、すべてが反故になってしまったかのようになし崩し的になってしまったのは、なんだかな、と思ってしまった。ミステリアスな彼女に振り回されるようになってしまった。しかも、もともと別に恋人がいたにも関わらずだ。
とはいえ、彼女が教えてくれたオーディションをきっかけに夢への道が開けたわけだから結果オーライなのか。とりとめのない話が、音楽とダンスの雰囲気だけを推進力にして展開されていく。端役だった主人公が、演出家に直談判しただけであっさりと主役に抜擢されてしまったのには唖然としてしまったが。
大したドラマもなく、サクセスストーリーは順調に成就してしまう。それでも主演のジョン・トラボルタの映える佇まいやダンスを見ていたらそれなりの説得力はある。クライマックスの舞台のシーンで、主人公と相手役の女性がまるで戦っているかのようにダンスしていたのは見ごたえがあって面白かった。
ミステリアスな女性の素性も、二人の女性の間で揺れる主人公の恋の行方も明らかにすることなくすべてぶん投げて、俺はダンスで生きるのさ、と主人公が唐突に都会をひとり闊歩するラストシーンは強引過ぎて呆気に取られてしまう。でもビージーズ(Bee Gees)のクールなタイトル曲もいいし、これはこれでありなだなと思えてくる。逆に清々しいかもしれない。「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編らしい結末でもある。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 シルヴェスター・スタローン
出演 ジョン・トラボルタ/シンシア・ローズ/フィノラ・ヒューズ/カートウッド・スミス/ジュリー・ボヴァッソ
出演/音楽 フランク・スタローン
音楽 ビージーズ
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