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「殺しの烙印」 1967

殺しの烙印

★★★☆☆

 

あらすじ

 順調に仕事をこなしてきた殺し屋の男。だが、たまたま知り合った女から受けた仕事をしくじってしまい、殺し屋たちに命を狙われることになる。白黒映画。

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感想

 テニスのように殺し屋にもランキングがあり、殺し屋たちが自分のランキングをすごく気にしているのが面白い。誰がどういう基準で順位を決めているのだ?と気になってしまう。昔、ダウンタウンのコントにこんな感じのものがあったが、この映画の影響を受けていたのだろうか。

 

 殺し屋である主人公の仕事ぶりが描かれていく。だがそれよりも、その合間に挿入される奇妙なシーンが印象に残る独特の雰囲気を持った映画だ。鈴木清順監督らしさが溢れている。影を効果的に使った構図が随所に見られ、モノクロの映像も美しい。ヌードシーンも多いのだが、影を利用してうまく処理している。

 

 殺しのシーン自体も、動く広告看板の隙間からタイミングを計って狙撃したりとアイデアの感じられるものが多くて悪くない。主人公演じる宍戸錠の真面目なのだか、ふざけているのだかよく分からないトボけたキャラクターもよかった。

 

 

 映画全体にもそんな雰囲気がある。ランキング一位の殺し屋との珍妙な共同生活シーンには可笑しみが溢れていた。どのシーンも、コントになってしまいそうなシュールさがある。映画全体がコント的だと言えるかもしれない。

 

 クライマックスの手前あたりで少しダレてしんどく感じてしまったが、不条理な世界観も含めて面白がれる人には楽しめる作品だろう。そうでない人にも記憶に残りそうな映画である。

 

スタッフ/キャスト

監督 鈴木清順

 

脚本 具流八郎

 

出演 宍戸錠/南原宏治/真理アンヌ/大和屋竺

 

音楽 山本直純

 

撮影 永塚一栄

 

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