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「THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション」 2014

ザ・フォージャー 天才贋作作家 最後のミッション(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 不治の病に罹った息子のために、マフィアのボスに頼んで刑務所から出た男は、見返りにモネの名画「散歩、日傘をさす女性」を盗み出すよう脅される。92分。

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感想

 末期のがんにかかった息子のために、借りをつくってはいけない相手に頼み込んで、刑務所を出所した主人公。気持ちは分かるが、裁判官を買収してそんなことが簡単にできてしまうのがすごい。

 

 しかし、絵画をめぐるクライムアクションかと思っていたので、最初は様相が違って少し戸惑った。死期の近い息子と主人公、そして主人公と父親、親子三代のヒューマンドラマだ。

 

 

 ただ、妙に泣ける話にも良い話にもしようとしていなくて悪くない。息子は末期のガンとはいえ、親をウザがったり時々子供っぽかったりと、思春期の少年らしさがある。対する主人公も祖父も深い愛情のまなざしを注ぎながらも、哀れみや同情を表に出さず、普通に接しようとしている。

 

 少年が主人公にする3つの願いも、その年頃の男子がいかにも考えていそうな事で、とてもリアリティがあった。そのうちの一つとして、実の母親と会うのだが、この母親を演じたジェニファー・イーリーが良い演技だった。息子を失望させないために、ニューヨークでいい暮らしをしていると偽るのだが、どう見てもそうは見えない立ち居振る舞いをしていた。ちょっとした仕草や姿勢が、その人の見え方に大きく影響を与えている事が良く分かる。

 

 息子との心の交流を深めながらも、マフィアのボスへの借りを返すための絵画窃盗の準備も着々と進んでいく。しかし、贋作をつくるだけかと思ったら、実物とすり替える事までやらされるとは思わなかった。どちらも出来るなんてスーパー過ぎる。そして意外とあっさりと成功するのだが。

 

 この映画では出てくる役者がみな良い演技を披露している。祖父役のクリストファー・プラマーは主人公以上の活躍をみせ、主人公を演じるジョン・トラボルタは息子を見守る目が良い。そして常に程よく前髪がぱらりと垂れるパーフェクトなヘアスタイルで、朝起きたときからこんな髪型だったら最高だろう。

 

 絵画をめぐるクライムサスペンスも、スリルのある展開で楽しませてくれる。最後も、ハッピーではあるがどこか儚さも感じる何とも言えないエンディングで、深く余韻に浸れた。見る前に想像していたよりも、中身の濃い良い映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 フィリップ・マーティン


出演 ジョン・トラボルタ/クリストファー・プラマー/タイ・シェリダン/アビゲイル・スペンサー/アンソン・マウント/ジェニファー・イーリー

 

撮影 ジョン・ベイリー

 

THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション - Wikipedia

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