★★★☆☆
あらすじ
無人島で助けを待っていた男は、漂着した十徳ナイフのような男の死体を使って故郷へ帰ろうとする。
感想
おならを動力にした水上スキーのようなものになったり、口から真水が出たりして、何かと役に立つ機能を持つ死体が登場するという、一言で言えばとてつもなく変な映画。シュールというか、悪趣味というか、下品というか、何とも言えない世界観に戸惑わさせられる。死体役を「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが演じているのだが、よく引き受けたなと驚いてしまう。
映画はそんな設定なのだから、当然バカバカしいコメディ映画なのだろうなと思っていたらそうでもない。確かに笑えるシーンはたくさんあるのだが、次第にいい話の要素も入ってくる。好きな女性に声をかけることも出来なかった主人公が、死体との会話を通じて劣等感を解消し、自信をつけていく物語となっていく。
おそらくこの映画を見て、めちゃくちゃな設定の映画なのに最後はホロリとさせてすごい、という感想を持つ人がいる事は想像できる。だが個人的にはコメディなのかヒューマンドラマなのか、どっちかにして欲しいというのが素直な感想。あまりそんな意外性は求めていないので、これだとただの中途半端な映画のように思えてしまう。どうせなら突き抜けたおバカなコメディ映画にして欲しかった。
ストーリー的にも、主人公は島から脱出し一刻も早く故郷に帰りたい、という感じだったのに、途中で死体と戯れ、だらだらと過ごしているのがイライラした。後に故郷までは何日もかかる距離ではなかった、という事が判明するのだが、だったらなおさらさっさと帰れよ、と思ってしまった。でも、それを指摘したら「怒るなよ。それもユーモアじゃん、分かんないの?」とか半笑いで答えられそうな感じがなんか嫌だ。それはそれで言い訳を用意して逃げているようにも思える。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ダニエルズ(ダニエル・シャイナート/ダニエル・クワン)
製作 ローレンス・イングリー/ジョナサン・ワン/ミランダ・ベイリー/アマンダ・マーシャル/エヤル・リモン/ローレン・マン
出演 ポール・ダノ/ダニエル・ラドクリフ/メアリー・エリザベス・ウィンステッド
スイス・アーミー・マン 【字幕版】 | 映画 | 無料動画GYAO!